目の前の美しい生物教師は、異形のものとなっていた。根っからのマッドサイエンティスト体質の彼女は世話好きの生物部部長を利用して、観察記録をつけさせようとするが。 でも、二人の会話に爆笑するんだなあ、これが。
美人で変わり者の生物教師、三上先生は、夏休みにうっかりアマゾン産の新種の種を飲み込んでしまった――?先生は、生物部の部長、八代君に自身の観察を頼むが、物語は思わぬ展開へと進んでいって……?有名な「桜の樹の下には」を絡めた生物色の強い物語。教え子と教師のラブコメ(?)は、冒頭一文から引き込まれる面白さです!
作者さんは生物専門の理系の方なのだろうか。対象をあるがままに書き、僕と先生の運命をそれこそ植物の観察日記のようにつづる。深刻な場面であってもそこはかとないユーモアで包まれており、かえって切なさが十二分に伝わる。しかし読後感はハッピーであるし、希望もある。発想も新鮮である。