第37話

荷物を置いてリビングへ行くとサラダカレーが準備されていた。起きたんだね。

2人揃って席につき手を合わせる。

「いただきます」

小さな頃からの習慣はどんなことがあっても家にいれば2人で食べる。その約束は今も守られている。

「美味しい」

なんでだろういつもの無言が気まずいのは。

「ねぇ何考えてる」

返事の代わりに顔を歪めた。私も真斗も幼馴染みたいな感じ。この関係が心地よかったはず。

「私は考えないようにしてた。悠一君のこと目で追ってたって自覚はある。今から思えば恋なのかもどうかもわからない。ただ一つ言えるのは真斗の一言に傷ついたってこと。私と向き合ってくれるの」

一言も話さない真斗を残してお皿を洗い片付けてリビングを出た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る