英雄の妹、命がけの潜入

大魔術師の最期の願いは、まさかの「男子校への潜入」だった。
病床で語られた奇妙すぎる遺言を胸に、妹リコットは己の名を偽り、禁断の門をくぐる。
 
そこは、男しか通えない勇者養成学園――レンフィーマ・アカデミー。
女子が足を踏み入れれば、呪いが牙を剥くという伝統の牢獄。

名門校の門に刻まれた魔術は、嘘を見抜き、資格なき者を容赦なく処刑する。
命の保証もない中で、少女は「リガッタ・ゲダール」としてその門をくぐる。
震える指先、荒ぶる心臓。だが、止まる理由は、どこにもない。

笑えるはずの変装劇。
それを許さない狂気と哀しみが、この学園には確かに息づいている。

出会う者たちは皆、彼女の正体を知らない。
だがその中には、微笑の奥に鋭い刃を隠す者もいる。
そして、何も知らないまま巻き込まれていく、生徒たち。

これは、ひとりの妹が命懸けで「姉の願い」を叶えようとする物語。

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