大学生の望月歩希は、13年前に起きた「全世界一斉昏倒事件」の夜、妹の綾が失踪するというトラウマと記憶障害を抱えて生きています。
そんな歩希が、奇妙な事態に遭遇していくことになり――。
角膜インプラント端末「CESPD」、ナノマシンによる生体制御、ホバーバイクといったSFガジェットが生活に溶け込んでいて、作者様の豊かな創造力による独特の世界観を楽しむことができます。
ナノマシンやテクノロジーの暴走、異常は逃げ場のない恐怖を演出し、息もつかせぬサスペンスのある展開は魅力的です。
なによりリアルな心理描写が秀逸で、日常に忍び寄る不気味な違和感の中、歩希が隠された真実へと足を踏み入れていく姿にドキドキします。
提示される伏線によって、先を読ませる強い吸引力を持つ本作。
ミステリー要素もギュッと詰まった、歩希を取り巻く絆と孤独を描いた物語をぜひお楽しみください。