※小夜は特殊な寵愛を受けています。同じ所業は罰を受けるためやめましょう

澄み渡った水の中で生きられない魚がいるように、この世界の物語は、下界で生きる私にとって眩しいものでした。

救いがあるとすれば、神という存在であっても、人間と同じ喜怒哀楽の"感情"があるなら――
ときに惑わされ、ときに不合理な選択をすることもあるのだと、一抹の安心感を得られたことでしょうか。

最初の選択が正解でも、時の移ろいによって同じ選択が必ずしも正解とはなり得ないこと。なぜそうなり得ないかの心理描写がとても丁寧に表現されていて、もどかしさを含めて最後まで楽しく読めました。

などと、サラッと『最後まで楽しく読めました』と書きましたが――

他の方のレビューでも触れられている通りで、私もこのように思えたのは久しぶりです。ましてや10万字超えのWeb小説を、日を跨いで読み浸る熱量が残っていたことに自分自身驚きました。

"気まぐれ"でたどり着いた作品ではございますが、土地神さまと小夜姫さま。
私の心を浄化していただきありがとうございました。

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