サバとマシンガンと女の子(名前はけい)
第三話/
「ちょっと、お母さんっ!お母さんがなんで、そいつと仲いいのよ!」
抗いたくなるような現実が、目覚めの悪さを助長してくれた、母と迷惑な居候シャチ、二人の一階リビングでのツーショットである。 ベッドから、這い出て、昨夜、マシンガンがほざき散らした、理解不能な洗脳レクチャーが、まだ頭から離れてくれない。しかも、認めたくない事実が、2階から聞こえてきている。
複数の声が。
とりあえず、シャチ3頭、兎瓦家に追加である。
声を振り絞る、兎瓦けい____。
「お前ら、全員出てけって言ってっぺっ!!シャチどもっ!降りてきなさい、今すぐっ!早く!逃げんなァっマシンガン」
整列する4頭のシャチ。一階、リビング。兎瓦けいが、指を一本立てる。
「一週間のうちに出てけ」
唖然とする一同。見ると、母親までもが同じ顔をしている。
「あらー、学校で問題起こして、こんな狭いところまで追いやられたかわいそうなこの子たちを、あなたぁ。」
「お母さん!! なんでシャチ側!? それもこれも全部こいつらの自業自得だし、またあたしには何の恩返しもしてないし、っていうかもう何も期待してないし!怒られたのぜ~~~~んぶ、あたしなんだからね!?泣きそう!ぜんぶ、こいつらのせい、、、!出てけ出てけ!わーんっ」
マシンガンが優しく呟く。
「泣きたいときは、泣いていいんだぞ?」「黙れって言ってっぺ、焼いて食うぞ、いい加減!!!う、頭が痛くなってきた!マジ殺意沸いてきたわ、理由もなくアメリカが憎い!!」
「じゃあ、こういうのはどう?」
小山だった。悪い顔をしている。
「今から、わたしたち全員で、あなたに恩返しするから」
第三話 サバとマシンガンと女の子
ここはデパート地下一階。
「す、すごいな!こ、ここは!聞きしに勝る」
「ハずかしいから、あんまうろたえねえで、くれっかな」
プラシーボ効果的と言えるかもしれない。マシンガンにとっては、食料の宝庫である電気屋よりも、生物の資源が集まり、人が集まるこの場の方がよだれは満足を求め、発生してしまう。
けいは、戸惑う。
「このシャチのせいで、また一片も嬉しくない、視線の洪水が、、、。こ、呼吸が苦しい」
女子高生兎瓦けいは、再び、30センチシャチ(名前はマシンガン)公共恥さらし満喫旅行に、連れ出されていた。近くのデパートに遊びに来ていたのである。
「まさかここまで食という食がひしめき合う空間が、存在するとは、お」
マシンガンの動きが止まった。どうやら目の前の、新鮮!海産物直送コーナーが彼の注意をとらえた様である。
「恩返しの時間だ、けい」
「あ?」
マシンガン、正面には「サバの味噌煮」のラベルが付いた食品群。
まさか。兎瓦けいの脳裏には不気味なギターがウロコ付きゴージャスビジュアルにて、佇んでいる次第だった。
そうだ、と兎瓦けいは、急いで、小川の横を駆け抜けていた。住宅地。となりの、マシンガンは半ば腹に括り付けられた縄張り詰め引きずられる、惨めな恰好である。
「これはどういうことだ?」
平静を装うマシンガンは、どうやら狼狽中だ。
「あんの意味不明の居候シャチどもが何してっかわかったもんじゃねぇっぺよ!」
速い。運動は得意とも、苦手とも言えないが、今現在走行しているスピードなら、きっとクラスの誰よりもいいタイムを叩き出していただろう。
あっという間に、自宅へ到着した。
「はーはー、お母さん、洗脳されてねえべか」
二人が留守にしている間、家中をピッカピカにしとくからぁ♪とほざいた、メスシャチ、名:小山の、ふざけたテンションがいよいよ気になって、我慢できずに帰ってきてしまった。奴らの価値観での、ピッカピカは、果たしてどういう意味か、兎瓦けいは、我ながら疑いの詰めが甘かったな、と思った。玄関の、ドアを開ける。
「な~~~~にやってんだ、おめえら!」
通常こういうときは、予想を裏切ってまともにしているものなのだが、そうは問屋がおろさなかった。とりあえず、状況説明に時間がかかる。
ふきこぼれるヤカンの音が、まず台所から聞こえている。けたたましい、「ピィ」音。
「な」視線を、廊下へ。まず、自治医大の「野郎」が、ツイストをかましながらごろごろと廊下を転がっている。目的と、動機が全く見えてこない。ほのかに濡れているらしく、自身を雑巾に投影させた新しい哲学だろうか。その方法で、「ピッカピカ」になるとは、まず思えない。
「くぉらあ」続いて、二階からは景気よく小山が、滑るように降りてきた。「おかえりなっせ~」窓の破片が身体に刺さっている。もちろん身体の、このバカシャチの身体の心配などしない。「はぅあ!そ、その破片は窓の?」まず間違いなく、掃除をするなどといいながら、想像も及ばないその過程で、このメスアニマル、ウチの部屋の窓を割りやがった。けいは、腹の底から、叫び散らす。
「おっまえぃらぁあ!!!ええ加減にせんかいぃ!」
*
「話をしよう。」
ここは二階のベランダ。けいの部屋のものだ。サボテンのとなりには、手すりに乗っかる4頭のコシャチたち。あまりにも平坦な、感情を漂わせるけいは、逆に恐ろしさをかもした。マシンガンは初めて、ひやりとした。他の三頭はけっこうに無神経なムードだった。はじめた。
「その、なんだ。まずお礼を言わなきゃなんねえな? あたしとマシンガンが留守の間に、この家をなんだ、いつでもこの土地売りに出せるように、機能ほぼ不能にする勢いで、いろんなとこ汚して、いろんなもの壊してくれて、な」
台所の上に、コンロの上のフライパン類はすべて黒こげ。使い物にならない。
「、、、手料理ふるまおうと思って」小山。
床、そして廊下は、ぐっしょりと濡れている上に、小エビのかすようなもの(掃除機でないと取れなそう)が転がって更に汚れている。というか、けいの母親みさきが随時、そうじは欠かさないため、もともと汚いはずはなかった。その他、いちいち復元するのが、めんどくさそうな快適に暮らす上での、欠陥、損失があちこちに見受けられる。みさきは、ちなみにスーパーへ買い物に行っていて、この事実はまだ知らない。「もう一度チャンスを下さい!」「やんねえよ、ばか!」
ふぅっと息を深く吸い込むけい。「話をしよう。な?一つずつもう、あたし聞いてくから。もう、出ていかなくてもいいから、でも、あたしは知る必要があっぺよ」
逆に、慈愛というか、そんなものまでうかがい知れる兎瓦けいの表情は、どこか4頭のシャチのココロ(あえてカタカナをふる)を若干、反省に染めた。悪気はなかったが、少しずつ申し訳なさが漂ってくる。けいは、気付いているのか、いないのか、同じ調子で話を進める。
「公園でもいくかっ!」正直、自分でもどっかのネジが飛んだのかもしれねえな、とは、後日の彼女自身の談。
4頭と一人は、自宅をあとにした。雨が降っていたが、それほど強くもない雨足だった。不思議な空気だった。気まずいではないが、決してフレンドリーではない。例えるなら、完全に安全な、弾が一個も込められていないことが、間違いない銃が、かわいいデコレーションをされて置いてあるような感じだ。銃は、銃だった。けいは、怒っていた。だが、ただそれをぶつけるつもりもなかった。公園に着いた。気付けば、雨は止んでいて、もう哀愁の匂いただよう、オレンジの夕焼け時だった。砂場の、はじに腰掛けるけいは、シャチたちも隣りに来ることを促した。
「どっから沸いてきた?おめえら」
「、、、。」
なんとも凄みのある静けさを保つけいに、一同(シャチ)は、返事のタイミングと体温をやや探していた。がらでなかった。マシンガンが応える。
「机の引き出しか
ずばむ!
大きな音だった。見れば、けいは足で思いきり、砂をかき打ち上げたのだった。銃に弾は込められていた。マシンガンは、人間のメスの怒りの恐ろしさを垣間見た。もっと、いっぱい見えたかもしれない。
しかし、マシンガンは続ける。さっきのボケは、セルフ放置させ腐らせた。
「言ったろう。我々は、お前たちの心を形にする為に、やってきた、と」
「いや、あたしが聞いてんのは、ちょっと違くてよ?それとは。なんつーか。あたしは、お前らとどう付き合えばいいの?」
「おれにガールフレンドはいらない」
「お前、頭膿んでんじゃねえけ?そういう意味じゃねえべよ。ってか、あたしだって彼氏いるし」
「いるのか?」
落胆したように見えたマシンガンは、真顔に戻した。まあ、表情はシャチのままなのだが。
「あたしは、あんたらをなに、なんつーかさ、ペットとして扱えばいいんかい?」
ふうっと一呼吸おいた。「だったら、しつけるのも、ありってやつなんだべな?」
「、、、。」
マシンガンたちは、一言も発しない。
「おめえら。ちょっと、あたしの言うこと聞いてくれっかな、、、」ほっこり、笑い顔のけいは、シャチ達を理由もなくゾっとさせた。
帰宅済みの一同は、みさきの前だった。
ぽかん、と、台所を片付け途中の、彼女はただ、ソファにて真剣な顔をしてこっちを見ている我が娘に、視線を外せずにいる。けいが言う、小さな声で。すると、メスシャチ紅一点の小山が、今更名乗り上げる。
響くいい声だ。けいは、びくっと、身をわずかに震わせた。曰わく!
「Kansmarssを、担当しております、小山です!本日より、わんわんわん!犬になって、兎瓦家の生活に貢献したいと思ってます!わたしは、トイレの便器から、やって来ました」
「ぱくぱくぱく!ぼこぼこ!Etiagxn専門の、自治医大です!うん、水槽で飼う金魚として、これからは生きていきます。よろしく。出身は、けいちゃんの部屋の電球です!けいちゃんは比較的タイプです!」
「まあ」みさきは声を漏らした。
「鹿沼です!、、、あ!同じくEtiagxn担当です!ばさばさばさ~!飼ってください!私は、インコです!同じく、けいさんの部屋の電球から来ました!」
「、、、、」
「おら、最後はおめえだ、マシンガン」
「お?」
渋っていたマシンガンは、わざとらしくではなく注意をみさきの手元に移した。そこに置かれているのは、サバの味噌煮だった。みさきは、買い物帰りだった。マシンガンが開口した。
「先に、この度のこの家における、掃除と称しての荒らし、個人所有物の破損に関しては、他の三頭に代わって謝っておく。おれは、マシンガンだ。この家では、とりあえず世間に対するカモフラージュとして、飼い猫としてけいとも接していくことに、相成った。いきなりなんだが、みさき、」
「ちゃんと自己紹介しろよ、おめ」
「黙れ、小娘。、、、。おれは、Jettoes担当だ。けいの部屋の、エアコンディショナーからやって来た」
「まじ!?」けいは、目を見開いた。
「みさき、そのサバ、我々が頂いてもけっこうか?」
*
例えば、裏切りや、それに似た行為を、彷彿とさせるようなそれだった。けいの部屋にて、一頭這いつくばり、サバを見つめる四頭余りのディスカッションである。もう始めから別のペットを演じてくれる気など、ない。マシンガンは、超至近距離で、魚を凝視である。ある意味、猫的だが。
ただいまの全員のビジュアルを、説明しよう。
まず、小山は演技派な、一面をのぞかせ、コントで使いそうな、つけっぱなセット(輪ゴム)と耳をたれさがる感じで、装備している。なかなかに不細工である。不気味ですら、あるかもしれない。ありえない生物が君臨している。続いて、自治医大は、なんと何も、自分の外見に手を加えていない。認めてしまった。自分たちの外見上での、魚との、圧倒的な類似を認めてしまった。最後は、鹿沼。ほとんど主張がないため、謎に包まれたままの彼だが、ここでまたふつう的アプローチを見せてくれた。くちばしである。と、背中に安っぽい虫の羽根のようなものがついている。しかも小さい。「なんかついてたら、、、いいかな、と。」完璧に他の動物をなめている。ちなみに、マシンガンは何もしていない。鳴き声だけで乗り切ろうとしているらしい。
「わたし勉強しないとだから、出てってよ。ねえ」
けいは、不機嫌だ。もう板についてしまった彼女の額のしわだ。まだ、女子高生だ。
「その前に、このサバ。こいつを助けてくれないか、けいよ」
マシンガンが、視線をサバに固定したまま、けいにたずねる。
「なに?成仏系? ごめん、あたしそういう教養ないからよ!お祓いとかできないのよ。ってかふつうできないけど」
「何を言ってるのだ?」
モロに無理解のマシンガンに、けいはため息混じりに苦笑いする。
その時、ギターがぶるぶると震えだした。窓際に立てかけてあり、今ではすっかりオブジェである。
なんと、サバが出血し始めた。
「ひ!」
けいは、飛び上がった。ちょっとショックだった。
「前回のキリンは、アゴ骨の、疾患に患っていたが、どうやら、、、」
みるみるうちに、血はけいの部屋の床を伝い、小さな切れ身からとは考えられない量の血を、
垂れ流し続けている。口を手でふさいだけいは、もう、とりあえず勘弁してほしい心情蒸気機関出発進行中だった。
「どうせ今回も、あたしは特に何もしなくてもなんか起こって、そのギターがなんかなって終わるんだべ?早くしてくれ」
「ふざけるな。お前が本気で想わなければ、何も起こらない」
「何にしても、こりゃどういうこっちゃ。。。」
「たぶん、どっか。。。たぶん、こりゃ、このサバ、捕食者が何か、残していったな。。。このサバの中に、ねえ、マシンガン?」
隣りで、鼻のかざりはふがふがさせながら、小山がマシンガンに顔を向けた。血の海に、避けるでもなく、立ち尽くしながら、マシンガンは無言を続ける。
ベッドの上に避難する、けい。ケツメイシの新曲の発売日、いつだったっけ、とか思っている。
マシンガンが口を開いた。曰く!
「海へ出るぞ、けい!支度をしろ。」
~
言うまでもなく、ここは栃木県である。度々、示してはいないので、そんなことはないかもしれない。とにかく、ここは海なし県代表格、関東地方、栃木県である。なんて、馬鹿なことを言うんだろう、このシャチは、と思ったのは、兎瓦けいである。「寝言は寝て言えって!明日、学校だって、しかも、今もう何時だと思ってる!」
全くそんなことは、なかった。兎瓦けいの頭の中には、そんなことが渦巻いていた。
違った。本当に、海に行くわけでは、なかったのである。
さっきまで降った雨で、公園には水たまりができていた。そこに、けいとマシンガン含め、ミニシャチ、4頭が、家での出血事件のあと、やってきていた。
サバを片手に持っているのは、けいである。「なんで、わたしがこの生臭いの持ってんのかな?」
そのときである。ぶっしゃあ。再び、サバの血祭り(文字通りのもの)が再開した。「ひゃひい!慣れねえ!」
「だまれ!」
マシンガンが一喝した。
ギターもちゃんとバッグに入れてきていた。得体のしれない頼もしさを、この楽器に感じるけいは、ただそれをバッグの中で、小さく握りしめていた。
「でかい!」
マシンガン及び、他の3頭も水たまりから距離を取った。けいを、おいて。
水たまりに注がれた、血は、すぐさま妙な、まっ白い塊を(直径1m余りのボール状)水面に創り出し、パン。それは、変化を遂げた。シャチだった。等身大。デフォルメの一切施されていない、シャチ一頭が水たまりを全滴、弾き散らす勢いで、その場所に「発生」した。 シャチは、大きさおよそ7mだった。とりあえず。「でけ!!!!」かった。
シャチは、喋った。
「&@「KK&223789<><22」 目の前にいるけいは、なぜか、恐れておらず、黙って、シャチの発する音を聴いた。喋っている_そう認識した。理由は解らない。マシンガンが反応した。
「何て言ってるんだ、こいつは」
「ええええええ!お前わかんねえのかよ!」
けいは失望した。小山、自治医大、鹿沼も、同じ、疑問を頭に乗せている素振りだった。けいは失望した。
「いや、そもそも今こいつは、喋ったのか?意味があったのか?」
マシンガンは、もはやただのぬいぐるみなのでは、という程の、現場での、自身の利用価値の低さを露呈した。
けいは、前に出た。
「シャチは、好きだからよ?なんかわかんねえけど、助けてやるよ?お、想えばいいんだべ?マシンガン、想えば」
その時、ちか、何かが光った。
口を開けたシャチが、近くにいたカラスを噛みちぎった。
「うぅお!」
けいは、さすがに、驚き飛び退いた。光ったのは、シャチが動いたときに、光の反射が、彼(彼女?)の皮膚表面を部分的に、てからせたのであった。
「きゃいーん水族館のと、さすがにちげえ!」
でも、ほのかに感動もしているけいは、そんな自分に驚いた。マシンガン達は、ぴくりとも動かない。素直にびびって、動けないのであった。
「うぉい!お前ら(笑)お前らもシャチなんだべ??なんとかしろや!」
「全く知らん、あかの他人だ。お前は、他人に、いきなり優しく接することができるのか?と、とにかく今は」
「使えねえ!」
ギターが震えた。
シャチは、頭を低く落とし、もう一度音を発した。けいは、よく聴こえなかった。ぶるぶる、と震えだしたギターが気になったからである。そして___。
ベッドの上だった。兎瓦けいは、ベッドで気がついた。自分。さっきの、水たまりでの。
「あ!!!」
起き上がると、そこには、マシンガンが床に置いてあるように、存在していた。
「気がついたか?」
マシンガンに目を当てたあと、一秒と留めず、目をそのうしろにやった。
「お母さん!」みさきが、目に涙を浮かべながら、立っていた。
「ほぉ!もう!けい、心配したのよ!?」 「ごめん!なんか、あれ?なんで?」
「今回も、御苦労だった」
マシンガンは、心底申し訳なさそうな雰囲気をかもしていた。演じているだけかもしれない。
「、、、わかるな?けい。お前の使命だから」
けいは、返した。
「、、、わかんねえけど、あたしは、やっぱり今回も説明がいるんだわ。どうぞ」
「あの、シャチなんだが、、、」
マシンガンは、戸惑っている様子だった。けいには、ひたすらにわけがわからない。なぜ、自分が、卒倒するハメになってしまったのか。もう、別荘でも買ってもらおうと思っていた、このシャチ、マシンガンに。気分は、特に悪くないのが、唯一の救いだった。
「あの、シャチなんだが、、、。なんだ、正直わからない」
言葉を止める、マシンガン。
「、、、、。、、、、え?続きがあるんだべ?どこが、じゃあわかってんだ?」
けいは、目を、ぎょろっと、させた。ただでさえ、小さくない目が、より拡張した。
「確かなのは、このギター」
マシンガンは、隅にやはり、邪魔者のように置いてあるオブジェに目をやった。
「あれをよく見てくれ」
「は?」
けいは、驚愕した。
そこには、ネックの部分ギターの左手指を走らせる、細いあの部位に、異様なモノが、小さく付着していたのである。
「うげええ!!!!!」
けいは、そこに、自分の顔がこびりつくように、しかしすぐに、自分の顔とわかるような造形鮮度で、不気味に、ひっついていることに、気がついたのである。
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