第2話

「リュウはナンパしたことってあるの」


集団に目を向けたままのユウがつぶやいた。ないという。



「だろうね。たとえあちらから寄ってきたとしても、にっこり笑っておいてきちゃうんだろ」



にやりと笑ったユウをすこし睨むと、鼻で笑っていった。



「ふん、おまえにいわれたくないな。アドレスいうのが嫌なら最初からおしえなければいいんだ。アドレス変わっただろう。ユーザーが見つかりません、って返ってきたぞ」



リュウはポケットに手をつっこむと、携帯をとりだしユウに放り投げた。



「いきなり投げんな。おしえないで喚かれるほうが嫌だね。すんなりおしえて、また今度っていえば争いごとがなくていい」


「番号はどうしてるんだ。あれって、いじれないだろ」


「おれ、登録してない番号以外、着信拒否にしてるんだ」



呆れた。自分にはできないわざだ。ユウは登録しおわったのか、丁寧に手渡しすると立ちあがった。



「ケイゴがきたよ。今日はリュウの家に泊まらせてもらうから。ケイゴもさそってさ」

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