第4話 ノクス・アクス
伊東四朗に似た師岡博士、通称モロキューは様々な道具を考えた。
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1. 変装カメラ
外見:一見、普通のデジタルカメラやスマートフォンに見えるが、内部に特殊な仕掛けが隠されている。
機能:カメラのレンズ部分が特殊な細工が施されており、レンズの中心部分に微細な針状の毒針を内蔵。撮影中に被写体を狙い、シャッターを切ると、針が自動的に飛び出して体内に注入される。致死性の毒が含まれており、数秒以内に相手を仕留めることができる。
特徴:普段使いされるカメラとして、周囲に怪しまれない。完璧な変装と殺しの両方を兼ね備えている。
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2. 音波ピストル
外見:一見すると音楽プレイヤーや携帯用のスピーカーに見えるコンパクトなデバイス。
機能:内部に高周波音波を発する装置が内蔵されており、特定の周波数で振動を発生させることができる。この音波が人体の脳や内臓に作用し、数秒で相手を昏倒させるか、致命傷を与える。
特徴:音波を発する瞬間は無音で、周囲に気づかれることなくターゲットを仕留められる。スピーカーを携帯しているだけなら、非常に自然な存在に見える。
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3. ナノ刃スリッパ
外見:普通のスリッパ、または室内用の軽量なシューズ。
機能:スリッパの底面に細かいナノサイズの鋭い刃が埋め込まれており、相手の足元に踏み込んだ際、刃が皮膚を切り裂き、素早く深い傷を与える。刃の鋭さと細かさにより、相手が気づかないうちに致命傷を負わせることができる。
特徴:普段使いできるアイテムとして、室内に入り込む際にも警戒されずに殺傷行為を行える。
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4. 暗影スモークペン
外見:一見、普通のペンやマーカーのように見えるが、少し重みがあり、キャップが不自然に厚い。
機能:ペンの先端からスモーク(煙)が発生し、その煙は一瞬で周囲の視界を遮るだけでなく、微細な粒子に含まれた麻酔成分や毒を相手の呼吸器に送り込む。煙は無臭で、短時間で相手を昏倒させることができる。
特徴:書類やメモを取るために使うアイテムとして自然に持ち歩ける。煙の中で目標を逃すことなく仕留めることができ、目撃者も少ない。
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5. 無音針刺しリュック
外見:普通のリュックサックに見えるが、背面に密かに装着された細工が施されている。
機能:リュックの背面に隠された針が、肩にかけた状態で相手と接触することで発動する。リュックが一瞬で膨らむと同時に、針が相手の体に突き刺さる。針は非常に細く、刺さった箇所からは微量の毒が流れ込む仕組みになっている。針が発動する瞬間の音はほとんど無音で、相手が気づくことなくその場で倒れる。
特徴:リュックサックとして一般的に持ち歩かれるアイテム。ターゲットと接触した時に発動するため、無警戒で近づくことが可能。
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6. カスタムマイクロナイフ
外見:極めて小型で、ペンサイズ程度のスティック型。持ち歩いても全く目立たない。
機能:手元で簡単に展開できる極小ナイフで、刃の先端は極めて鋭利。ナイフの柄部分には麻酔や毒が塗られており、一度刺すと瞬時に相手を昏倒させる。また、刃の細さと短さゆえに、肉体的なダメージを与えつつも目立たずに使うことができる。
特徴:小型でコンパクト、通常の道具のように見えるため、スリや護身用のアイテムとして持ち歩ける。
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7. 電子仕込みボールペン
外見:一見、普通のボールペンに見えるが、実際は精密な仕掛けが施されている。
機能:ボールペンの中には微細な電子デバイスが内蔵されており、ボタンを押すことで金属製の針がペン先から飛び出す。針は非常に細く、深い傷を負わせることで即死に至ることも。麻酔成分が針に塗布されているため、相手が気づく前に行動を起こせる。
特徴:文房具として使えるため、オフィスなどで目立たずに使用可能。状況に応じて瞬時に手に取ることができる。
続き:殺し屋組織の結成
師岡博士、通称モロキューはその名の通り、常識を超える発想力で数々の危険な道具を生み出してきた。しかし、彼一人ではその力を最大限に活かせない。彼の道具が世に出れば、世界中で混乱が生じるだろう。だからこそ、モロキューは仲間を集めることを決意した。彼が求めるのは、ただの協力者ではない。冷徹なプロフェッショナル、命を奪うための熟練者たちだった。その組織の名前はノクス・アクス。
ノクス・アクス
「ノクス」はラテン語で「夜」を意味し、組織の秘密主義と暗殺の性質を象徴します。「アクス」は「斧」を意味し、組織がターゲットを断ち切る冷徹な力を象徴しています。夜に活動し、無慈悲に目標を打倒する者たち。
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1. 黒沢 真一(クロザワ・シンイチ) - "アサシン"
黒沢はかつて、ある国家の特殊部隊に所属していた伝説の暗殺者。極限状態での判断力と身体能力には定評があり、いかなる状況でも目標を排除できる冷徹さを持っていた。彼の武器は、モロキューが開発した「カスタムマイクロナイフ」。その小ささ故に、どこにでも持ち歩くことができ、最も派手でない方法でターゲットを仕留める。
特徴: 無駄な感情を排除したプロフェッショナルであり、近距離戦においては無敵。暗殺任務では、ほとんど証拠を残さない。
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2. 美咲 千夏(ミサキ・チナツ) - "エレクトリック"
美咲は元々、テクノロジー犯罪のエキスパートであり、サイバー犯罪を犯していたが、ついには裏社会で名を馳せることになった。彼女のスキルは、コンピュータや電子機器を自在に操る能力。モロキューが開発した「電子仕込みボールペン」を持ち、暗殺任務を請け負う際に必ず使う。そのボールペンは、普段は普通の文房具だが、電脳技術を駆使して目標の動きを予測し、最適なタイミングで針を発射する。
特徴: ハッキング技術と機械の操作に長け、電子機器を駆使してターゲットを追い詰める。暗殺の準備は迅速かつ完璧。
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3. 高橋
高橋は音響技術の専門家で、かつて音楽業界で活躍していたが、その才能を裏社会で活かす道を選んだ。彼が操る「音波ピストル」は、音の力でターゲットを倒すという非常にユニークな武器だ。音波が人体に与える影響を知り尽くした高橋は、その装置を使い、ターゲットを音波で昏倒させる。また、彼はその特技を生かし、時には音を使った誘導や隠密行動も得意とする。
特徴: 音の力を最大限に活用し、音波でターゲットを仕留める。無音で行動し、周囲に気づかれずに任務を遂行する。
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4. 渡辺
渡辺は元々、国家の秘密機関で化学兵器の研究員として働いていた。彼女の得意とするのは、化学薬品とガスを使った暗殺。モロキューの「暗影スモークペン」を用いて、ターゲットを気づかれずに昏倒させる。無臭で有害なガスを放出し、目標が反応する前に動きを封じる。そして、煙の中で標的を確実に仕留める。
特徴: 化学兵器を使いこなす冷徹な専門家。ガスや煙を使った戦術で、目撃者もほぼいない状態でターゲットを倒す。
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組織の誕生
モロキューは、各メンバーの専門性を最大限に活用するため、彼らを一つの組織にまとめることを決めた。この組織は、単なる犯罪組織ではない。彼らは、ターゲットを選ぶ際の条件を厳格に定め、計画的に暗殺を行う「精鋭の殺し屋集団」だった。
モロキューは、彼らの活動を支えるために様々な道具を作り続け、各メンバーには特定の武器やアイテムを提供した。彼らが使う道具はすべて、目立たない普通のアイテムに見えるが、裏では驚くべき破壊力を持つ武器だった。
最初の仕事が決まると、各メンバーはその役割に応じて準備を整える。クロザワはナイフと他の近接武器を携え、音波ピストルを用いてターゲットを探し始める。美咲は、ターゲットの情報をハッキングして、暗殺が行われる場所を特定する。渡辺はガスと煙を使って、周囲を無力化し、最終的な仕留めを担う。
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最初のターゲット
彼らの最初のターゲットは、国際的な企業のCEO、アラン・グラント。彼は不正な取引を行い、多くの命を奪った人物として知られている。しかし、彼を暗殺するには、完璧な計画とタイミングが必要だった。
ノクス・アクス - 暗闇の中の刃
深夜の東京。ビル群の間にひっそりと浮かぶネオンに、モロキューの影が溶け込んでいた。彼の手のひらには、今回の任務に必要な道具が収められている。どれも目立たぬように作られた、普通のアイテムばかり。しかし、それらが持つ秘密は誰も知らない。
「クロザワ、準備はできているか?」
モロキューの問いかけに、通信用のイヤフォンからクロザワの冷徹な声が返ってきた。
「問題ない。ターゲットの動きは予測通りだ」
クロザワ、真一。かつて特殊部隊で名を馳せた暗殺者。彼の任務は、ターゲットに最も接近し、ほとんど音を立てずに命を奪うこと。それが「ノクス・アクス」の暗殺者としての使命だ。
モロキューはクロザワの能力を信頼していた。そして、次に美咲に目を向ける。
「美咲、ターゲットの情報は?」
美咲千夏の声が静かに耳に届く。
「すでにターゲットの行動パターンは解析済み。彼の現在地は…」
彼女の手元に映し出されたターゲット、アラン・グラントは、高層ビルの最上階にいる。グラントは、巨大な企業のCEOで、政治的な陰謀や不正な取引に手を染めてきた。だが、その裏にあるのは、単なる金や権力に留まらないものがあることを、モロキューはすでに感じていた。
「場所は分かっている。渡辺、煙の準備は?」
「もちろん」
渡辺香織、通称「スモーク」は、化学兵器とガスを使った暗殺のエキスパート。彼女は今、ターゲットが滞在するビルの下層にある空調システムにスモーク装置を仕掛けていた。これでグラントの周囲を包み込む。
「少しの間、煙が回る。その間にクロザワが仕掛けを整える」
モロキューは計画を確認し、全員の準備が整ったことを確認した。
グラントの執務室には、巨大なガラス窓が並び、夜の都市の明かりを映し出している。その部屋に一歩足を踏み入れるだけでも、彼の権力の象徴であることが分かる。
クロザワは、窓辺に立つグラントの背後に忍び寄っていた。彼の動きは、まるで影のように静かで、誰にも気づかれない。
その時、ビルの下から煙が立ち込め始める。無臭で、目に見えないガスが空気中に拡散していく。それにより、グラントの周囲の人間たちは徐々に意識を失い始める。煙の中で、誰もが無力化されていく。
「今だ」
クロザワの声が耳に響き、モロキューは瞬時に反応した。
高橋龍一が「音波ピストル」を手に取る。小型のスピーカーのように見えるその装置は、ターゲットを無音で仕留めるための必需品だ。グラントの意識が薄れ、周囲のセキュリティが無力化される中、高橋はピストルのスイッチを押す。
無音の振動が、グラントの体を貫通する。数秒後、彼は意識を失い、その場に倒れる。
グラントが倒れた瞬間、モロキューは駆け寄り、彼のポケットから重要なデータを取り出す。そのファイルには、グラントが関与していた恐ろしい取引の詳細が書かれていた。
「これが…」
モロキューがそのデータを確認した瞬間、彼の心に不安がよぎる。そこには、彼の過去に関する記録が含まれていたのだ。グラントは単なる企業のCEOではなく、モロキューが大学時代に一度関わった人物だった。あの時の彼は、モロキューが思っていた以上に深い闇に関与していたのだ。
「クロザワ、ターゲットを処理した。だが、これで終わりではない」
モロキューは仲間たちに告げると同時に、自らの道具に手を伸ばした。彼の作り出したこれらの武器が、今や自分を追い詰めるものに変わろうとしていることを感じ取ったからだ。
「次のターゲットは…」
モロキューはデータを解析しながら、震える手で次のページをめくる。そこに記されていた名前に、彼の表情が凍りついた。
「…俺の同級生、影山一朗だ」
影山一朗。モロキューが大学時代に最も親しくしていた人物。彼の名前が、今や「テロリスト」としてリストに載っている。
「彼が…どうして…」
疑問が次々と湧き上がる。モロキューは、過去と向き合わせられながらも、冷徹な判断を下さなければならなかった。このままでは、影山の計画が世界を揺るがす事態に発展しかねない。
「クロザワ、次のターゲットの情報は…?」
クロザワの声が冷静に返ってくる。
「影山一朗。彼は世界各国にテロを仕掛けている。しかし、どうして彼が…」
「次の仕事だ。ターゲットは影山だ」
モロキューは静かに決断を下すと、次の計画を練り始めた。ノクス・アクスのメンバーは、再び暗闇の中に身を潜め、次のターゲットを追い詰める。
しかし、この任務は彼らにとって、ただの暗殺では終わらない。モロキューは今、同級生だった影山と対峙する運命に向かって進んでいる。
そして、道具の「呪い」が彼らを再び引き寄せる――。
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