第35話 人狼のボス……!?
そういえば
飯塚先輩の術式は
見たことなかったんだよな。
どんな術式か楽しみだ。
「よく見てな……」
そう言うと飯塚先輩が
スマートフォンを取り出した。
何やら操作したあと
突然小泉先輩の【収納】と
同じようなエフェクトと共に
ズズズッ……と地面から
いくつもの刀が出てきた。
「なんですか、それ!」
「説明する必要ないだろ」
再びスマートフォンを
弄り始める飯塚先輩。
すると今度は
地面から出てきた武器が
ふわりと宙に浮き始めた。
それはさしもの
冬見の【操作】のようだ。
ここまで御膳立てされたら
鈍い俺でもわかる。
飯塚先輩の術式は【模倣】だ。
あのスマートフォンで
【模倣】する術式を選んでいるんだ。
次の瞬間
浮いた武器が人狼に向かって
飛んでいった。
「ガァ!?」
「グアワァ!?」
人狼たちに突き刺さる武器。
さらに飯塚先輩が
スマートフォンをいじると
武器が爆発し、人狼たちは消滅した。
今の術式は誰のか知らないな。
飯塚先輩の知り合いのものかな。
「すごいですね……
俺の術式もパクれるんですか?」
「条件さえ満たせばな……
だがあまり難しい術式は
模倣したくない」
「ああ……」
俺の術式は
わざわざ封魔刀に封じてある
いわくつきのものだしな。
「ま、冬見さんと
小泉のものならこんな感じだ」
「へぇ、条件ってなんなんですか?」
「教える必要ないだろ……」
それはそうだが……。
気になるじゃんね。
「しかしなんとか斃したな
これで脅威が去ったらいいが……」
そう話しながら
帰ろうとすると──。
「わぉおおおおおん!!」
他の人狼より二周りも
大きい人狼が崖の上に現れた。
更に他の人狼も引き連れている。
「あれが人狼のボスですかね……」
「おそらくそうだな」
スマートフォンを構える飯塚先輩。
俺も黒孔雀を引き抜いた。
ボスといっても、
そこまで強そうじゃない。
俺達だけでもなんとか出来るだろう。
そう思っていると……
人狼達が一つにまとまり始めた。
「チッ……融合か」
「融合!?」
「集団の幻獣だと稀に起きるんだ
そこそこ強くなるぞ。気をつけろ!!」
言った通り、融合した
人狼のボスは更にふたまわり大きくなって
手も四本になった。
そのままボスが降りてきた。
「珀斗、サポートする。
前線は任せたぞ」
「了解です……!」
再び飯塚先輩が武器を呼び出すと
人狼のボスに向かって飛んでいった。
だが突き刺さったところで
人狼が止まろうとしない。
次の瞬間には
再び同じように爆発した。
……が、あまり
ダメージにはなっていない。
どうやら毛皮の硬度が
上昇しているようだ。
俺は黒孔雀を振るい、飛天を繰り出す。
だが飛天の斬撃を俊敏に回避していった。
「くっ! 素早いし硬い!!」
俺の斬撃を回避しながら、
近寄ってくる人狼。
その爪撃を黒孔雀で弾く。
だが続きざまに二手、三手の爪撃が来る。
俺は影を広げ、それをガードした。
俺への攻撃を防ぐためか、
飯塚先輩が間にあって入り、刀を振るう。
身体能力が上書しているのは──
夏芽の術式か。
「チッ、面倒だな……」
飛天じゃあ無理なら──。
影を一点に集中する!!
飛ばすことは出来なくなるが……。
これが俺の新技だ。
「月光!!」
刀に集中した影が人狼を切り裂く。
そのまま人狼は真っ二つになり、
消滅していった。
「ふぅ……なんだったんですかね、あいつ」
「さてな。ああいうのが
自然と湧くこともあるが……」
「とにかく帰りましょうか」
飯塚先輩は
しばらく人狼が消滅した場所を見ていたが
やがて満足したのか、俺についてきた。
妙なことがなければいいんだが……ともあれこうしてサバイバル二日目は終わった。
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