第2話 雄介の気持ち

仕事に行く前にニュースを見ていると知っている人の名前と顔が出ていた。

「子供の遺体と半年間生活していた女を逮捕」とやっていた、僕はまじまじとニュースを見る、普段ニュースなんて流しているだけだったがテレビに彼女が映っていたらそれは見ざる負えない、僕は彼女に子供がいたことなど知らなかったし産んだ経験があることも知らなかった、まず彼女は自分の事を話したかがらない、自分の話になると色々濁すところがあったがまさかこんな事になっているとは思ってもいなかった。

「子供が死んだことを自分で受け止められずに、子供と生活していました」と自供しているとテレビではやっていた、僕は法律には詳しくないがこういう場合刑務所に入ることになるんだろうか?面会はできるんだろうか?と思った、この事件を聞いても僕は彼女の嫌いになることはできなかった、彼女は根が優しく本当にいい人だった。

ニュースから三日後彼女の弁護士から「彼女からです」と言われ手紙が届いた。

【雄介さんへ この度はこんな事件を起こしてしまい大変申し訳ございませんでした、雄介さんも不愉快な気持ちになったと思います、ですが私は雄介さんのことも大好きでしたし、自分の子供の事も大事でした、今までこんな私と付き合って頂きありがとうございました】と綴られていた、別れの手紙のつもりなんだろうが僕は別れるつもりはなかった、彼女は出所するまで待っていようと思っていてそれを伝えたかったが弁護士からは「二週間弱は接見禁止がついているので会えないですし、手紙も読めないです」と言われ二週間はさすがに長いなと思った。彼女が捕まるまでは週に二回は彼女と会いどこかに出かけて、ご飯を食べたり夜景を見たりしていた。

この事件を知ったからと言って彼女の事を嫌いになれるわけではなかった、確かに子供が亡くなって通報しなかった彼女は悪いかもしれないが子供が亡くなったことを信じれなくて一緒にすごしてだけだと僕は思ってしまった、これが彼女が子供を殺していた李、虐待をしていたとかであれば嫌いになれたのかもしれないが、彼女はそれではなくただ現実を受け止められなかっただけで彼女自信なにをしたというわけでもない、僕は彼女に「出所したら結婚しよう」というつもりでいた。面会まで二週間は長いと思いながら、接見禁止が取れるまでの二週間を待ちわびた。

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隠し事 櫻井 @usamimi0923

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