000.MAINTENANCE-LOVE

prologue

第1話

カランと軽快な鈴の音を今日も聞いて、



「世理(より)さーんっ!」



店内には色取り取りの宝石が並ぶ中。



そんなものには目もくれず、駆け寄るのは奥のカウンターに立つその人。



「また来たのか…。」



素っ気ない物言い。

女よりも女らしい中性的な顔立ち。



そのくせ愛くるしい姿とは相まってその瞳は冴え冴えと冷たく、今日も呆れたようなどうでも良さそうな視線を向けてくる。

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