同人誌出すのにどれだけ値段がかかるの?儲かるの?
ここまで来て「同人誌って結構金がかかりそう」と思っている人も多数いると思うので、割り切ってお金の話をしよう。昨今の物価高や不景気もあって同人誌は割と金のかかる趣味というイメージは持たれがちであるし、実際、予算というのは結構なネックになったりする。
ただ、値段の範囲というのは割と決まっていて、例えば数百部・数千部という莫大な量の本や、非常に凝った装丁の本を印刷しない限り「安いとは思わないが高いとも思わない」という絶妙なラインに収まったりする。
使用する用紙、印刷の形態、ページ数、部数などによって値段は変わるし、原稿を入稿する時期によっても値段が変わったりするし、印刷所によってそこそこバラつきがあったりするので一概に「これだ!」という数字は提示できないが、安いところだとオンデマンド印刷で文庫判カバーなし100ページ50部を刷って大体2~3万円台、オフセット印刷なら大体その倍額くらいである。(2025年現在あたり)
さらに、特殊な用紙の指定、装丁、さらにカバーを付けたりすると値段はもっと高騰する。場合によっては下手な中古車ぐらいは買えるんじゃないか、という値段になったりするので侮れないが、それだけ金をつぎ込んだ本ほど手にした時の満足感は高くなったりするものである。
ちなみに、多くの印刷所では「早期割引(早割)」という形で、入稿が早ければ早いほど値段が安くなる場合があるので、入稿に余裕があればあるほど印刷代は安くなる。逆に締め切りを越えた場合は「割増入稿」という形で値段が上がってくる。小説同人誌はページ数も多く印刷費が高騰しがちであるため、早めに入稿できるように心がければ思ったより印刷費も安く済む場合がある。ウェブ上で見積もりを出せる印刷所も多いので、実際に印刷会社のホームページで確かめて見るとよいだろう。
また、本を作るにあたって表紙や挿絵の制作を依頼をする場合、絵師への依頼金も加算される事になる。絵師本人の提示価格などによるが、大体数千円~数万円程度の依頼料になる場合もある。
なので、表紙込・100ページ前後50部でオンデマンド印刷と仮定して諸々含めて大体3~5万円あたりかかる、ぐらいに覚えておけば予算の勘定はしやすいだろう。
ちなみにこれは「本」自体に関わる計算で、実際にはそこへ「イベントのサークル参加申し込み費用」「釣銭準備金」「交通費」「(遠方からの参加なら)宿泊費」なども加算されていくので、実際にはもっと予算がかかる。
で、こう聞くと「儲かるの?」という話になってくるのだが、結論を言うと儲からない。儲かる人が居たとしても割と一握りである。
値段設定や実際の販売数を考えると赤字になったり、よくてトントン、黒字は稀……というケースも多々あったり。基本的に同人誌でお金を稼げる人は(小説、漫画問わず)全体の中のほんの僅かでもあるので、基本は赤字になってなんぼ、印刷費回収できたら御の字、常に大量の在庫を抱えて大赤字になる覚悟を決めておいた方がいいだろう。副業禁止の職業に就いている人によっては、むしろ赤字(利益が出ない=副業にあたらない)になってくれないと困る、元より黒字にならないよう調整して本を出している、という考えの人もいたりする。
同人誌はむしろ創作物を物理書籍として作って披露する事がメインみたいなものなので、一攫千金を目指すものではない。儲かったら儲かったで、今度は税金のお話も絡んでくるので、趣味というより商売になってしまい、それはそれで大変だったりするのだ。
やっぱ結構金がかかるもんだな……同人活動って。
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