基礎の基礎、コピー本から作ってみよう
これまでの話を聞いて「原稿は出来たけど、印刷どうすればいいかわからねえ」となった人へ、まず最初にオススメできるのがコピー本という存在である。かく言う自分も一番最初に作ったのがコピー本だった。イベントで出す・出さないは別としても、まず第一歩を踏み出したければコピー本を作るべきだろう。本を作ってみる、という点ではとても大事だ。
コピー本には利点がある。それは何と言っても「手軽で早い」という事だ。
極論を言ってしまえばパソコンに接続したプリンターさえあれば作れる(ただしクッッッッッッッソめんどい)が、コンビニエンスストアに置かれている有料の複合機でも最近は印刷できるようになっている。
つまり、身近なコンビニや自宅で製本が可能なのだ。よく同人誌のイベントで「急遽用意しました」とコピー本が置かれている理由がよくわかるだろう。あれはイベント当日に何かを確実に間に合わせたい同人作家にとって、前日ギリギリまで用意できる究極の「刊行物」の形式なのだから!ちなみに筆者は「会場で売り切れたので近所のコンビニで刷ってきて、会場に戻って製本して出す」という光景を目にした事があったりする。
それだけ手軽なので、初心者がまず手始めに……と作るのであれば確実にオススメできるのだ。
作り方も至極簡単である。原稿を用意して、原稿データをSDカードなりUSBなりメディアに入れて、複合機に差し込んでデータを読み込み、印刷するだけで良い。
後は出て来た原稿を二つ折りにして、一番中央の部分に中綴じのホチキスを打ち込んで製本してしまえば、もう本は完成である。ね?簡単でしょう。
複合機ならコンビニに幾らでもあるし、最近ではコピー本が作れる事を複合機のウリ文句にしているコンビニもある。特にセブンイレブンは特設ページまで作ってコピー本が作れる事をアピールしている。利用しない手は無いだろう。
コンビニの複合機は製本まではやってくれないが、最近は100円ショップで中綴じ用のホッチキスが普通に販売されているので簡単に製本できる。
大都市圏なら、印刷サービス大手のキンコーズを利用するのも手だろう。性能の良い複合機は製本まで自動でやってくれたりする。
あと地味な利点として「個人で作る分にはやり直しが利く」というのもある、サンプルで一冊作ってみて、不備を見つけても速攻で修正が効く。印刷所にデータを投げて作る同人誌と違って、間違いに気が付いたら修正が効くのだ。
なので個人で作るのであれば試しに一冊作ってから、本格的に印刷して量産するのがベストである。
ここまで書いてきたコピー本であるが、実は弱点も存在する。
中綴じ式の弱点として「そこまでページ量の大きいものは作れない」という制約がある、ページ数が増えるに連れて不格好になるし、製本も大変になってくるし、物理的に「これ以上は製本できねえ」という臨界点に達してしまう。
なので長編というよりは掌編~短編の発表や、今後作る作品のプレビュー版や先行版として用意するのに向いている。
個人で扱うにはどうしても大量部数を用意するのが難しいとい欠点もあるが、そこはコピー本も対応している印刷所もあるので(締め切りはあるが)外注できる。
ただ、本としての見栄えはどうしてもちゃんとした同人誌には劣るし、コピー用紙で作っているのだから耐久に関してはしっかりとした本に劣るという点もある。でも同人界隈では「紙を二つ折りさえすれば本」という格言もある、自分の文章が冊子になったのなら、それは十分に同人誌なのだ。
コピー本はコンビニの複合機で印刷した場合は、ページ数にもよるが一部数十円~数百円程度の価格に収まる。ただ、実際に頒布する価格を考えると利益が出るかどうかは結構微妙で、大きな黒字を狙って出すような物ではないが、頒布物としては小回りが利くしモノを用意するのも省コストな代物である、と覚えておくとよいだろう。
ちなみに、究極の省略型頒布物としてペーパーという方式がある、一枚の紙に収まる掌編を出すというものがあるが、新刊を出せないのでお詫びで置いておくとか、会場に足を運んでくれた人限定の特典として無料配布する方式で使われたりする。
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