第12話 (処女)少女は子宮で恋をする
もう20歳目前にした大人の男だ。エッチなことに興味ないとは言わない。そう思われてしまうことだって別に構いやしない。ただ、格好よくいたいのだ。この場合は、特に爽やかな男だと勘違いされればよい。
「そりゃ、宅原さん可愛いから女の子に興味はあるよ。」
そう答えたが、これはちょっとおかしな返答だということは認識している。宅原さんが可愛いから、宅原さんに興味がある、というのなら分かる。可愛い女の子が好きだから宅原さんに興味がある。それでも良いと思う。
僕が彼女に伝えたかったのは、あなたを可愛いと思っていること、あなたに興味があることをなんとなく理解してもらえればいいのだ。いや、意識してもらえばいいのだ。ボクの存在を。
気になる女ができたとき、いつもその娘に興味を持ってもらうことに注力する。そのためには、女が僕に対して感じる感情を刺激してやればよい。
たまには褒めたり、あるいは厳しい言葉を浴びせたりだ。
女は男より頭で考えるのではなく、感情で恋愛をするものだと考えていた。あるいは(処女)少女は子宮で恋をするものだと。
「堀田君ってコントラバスが好きなんだね。」
そういう宅原さんは目を細めて笑っていた。この子も子宮を刺激するこつを心得ているのだろう。(ああ。この場合は子宮じゃなくて陰茎か…。)
「コントラバスというより吹奏楽かな…。」
その答えは半分嘘だ。僕が好きなのは女が群がる団体であることは十分に自覚している。
「吹奏楽って楽しい?」
そう尋ねる宅原さんはもう笑っていない。真剣さが増している。
「ああ。とても楽しいよ。」
そう答える以外に選択肢はない。
「だったら。わたしもやる。一緒に入れてくれる?」
一瞬の間をあけることなく僕はとっさに答えた。
「もちろんだよ。大歓迎に決まっているじゃん。一緒にやろう!」
「入れてくれる?」という言葉が妙に甘美だった。
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