第42話

「これは昨日家に帰れなかったから」



「ふーん、なんで?」



「閉じ込められたの」



「誰に?」



「クラスメイト」



「理由は?」



「あたしが………、わたしが涼ちゃんの邪魔をしてるから、だって」




「なに、いじめられてんの?」





誰にも言えなかった。

特に、涼ちゃんには言えなかった。

嘘のわたしを取り繕って、学校楽しいよなんて笑いかけて。

いつも心の中に閉じ込めていた言葉。






「うん、わたしイジメられてるの。ずっと、高校入学した時から、ずっと」






なにも知らないからこそ、言いやすい。

それって本当だ。

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