第36話
目から熱いものが溢れる。
それは拭っても拭っても止まることを知らずに。
あつい、あつい、あつい。
でも、やっぱりさみしい。ひとりぼっちはさみしいよ。
「あーあ。なんでこんなに人生上手くいかないんだろう」
砕けた喋り方で、誰もいないことを確認して口から出たはずの独り言。
目から溢れる熱い何かはまだ止まらない。
せめて、冷たかったならいいのに。
冷たかったなら、全てを諦められたのに。
熱いから、涙が冷えた頬に熱を与えるから。
わたしは人生を諦められないんだ。
「つらいな、人生って。上手くいかないな、人生って」
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