第28話

涼ちゃんにとって所詮あたしは妹。

妹以外のなにでもないのです。妹以下でもなければ、妹以上でもないのです。






はあ、寒いな。





まだ春とはいえ、この季節の体育館倉庫は寒い。

近くに毛布の代わりとなりそうなものはないし、暖を取れそうなものもない。






夜の学校って怖い。





暗闇の中、ひとりぼっち。





こわい、ひとりぼっち、こわいよ。







夜の学校で。

ひとりぼっち、怖さと寒さに震えた、高校2年生の春。












ぽかんと開いた恋心に蓋をして。

わたしは、明日から涼ちゃんのただの妹にがんばって戻るんだ。

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