第16話
ちゃんと自分の足で学校へ向かう。
この通学路にも花はたくさんあるから癒される嬉しい。
「あ、一ノ瀬さんこっちこっち!!」
「遅れてごめんね矢野さん」
矢野 莉帆(やの りほ)さんは今日わたしと一緒に水やり当番する人。
同じクラスだからそれなりに話せる。
「ううん、あたしが早く来ちゃっただけだから気にしないで!」
「ふふ、ありがとうございます」
矢野さんはだいぶ良い人。
幼い頃からわたしには人を良い人と悪い人に区別する癖がある。
でないと、自分を守れなかったのです。
「早く水やりしちゃいましょうか」
「はい」
こんなわたしにも変わらず声をかけてくれる良い人だ。
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