第5話

片手で運転しながら信号待ちをする彼の横顔をそっと盗み見する。





きれいな二重にキメ細かい肌。そんな肌は白くどこかの王子様のよう。

彼の癖のない黒髪は色気が出ており、瞳の色は漆黒。




どっからどう見ても彼はエレガントだ。






「こら、なにそんな見てんの?金とるぞ」




「はあ、涼ちゃんはこの性格が残念なんだよね」




「それを本人の眼の前で言うお前の性格も残念きわまりないけどね」





ごもっともである。






「おら、学校着くぞ」





そう言ってわたしの頭を撫でる涼ちゃんの手は温かくて離れて欲しくない。

わたしがそう思ってるのわかってる癖に涼ちゃんはすぐ手を離しちゃう。





「んじゃ、学校頑張れよ?」




「ん。涼ちゃんもお仕事がんばってくださいね」

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