2月14日・15日・16日

 気がつくと、午前8時を過ぎていた。しかし、あわてる必要性はない。今日は休暇だからである。洗面所に入り、顔を洗った。台所の電気ケトルにミネラル水を足した。沸き立ての湯で、インスタントコーヒーを淹れた。昨日、隣り町のパン屋で買ったフレンチトーストを食べながら、熱いやつを飲んだ。


 居室に二杯目を運んだ。座りざまに、ポータブルプレーヤーの電源を入れた。自動的に『湯けむりスナイパー』(の2枚目)の再生が始まる。2009年に放送されたもの。血生臭い日常に疲れ果てた元殺し屋が、過去を捨てて、山奥の温泉旅館に住み込みで働くという話である。劇画原作ならではの荒唐無稽な展開だが、主演の遠藤憲一がまさにぴったりの配役で、なかなか楽しませてくれる。番頭(演者:でんでん)と河原でラーメンをすするシーンが面白い。


 棚の上のアナログ時計が、午後5時を示していた。シャットダウン確認後、バルコニーの吊るしものを屋内に取り込んだ。身支度を整えた。最後のカギをかけてから、家を離れた。剥き出し階段を下り、駅の方角へ歩き始めた。ラジオの健康番組を聴きながら、歩行を続けた。話題は内視鏡手術について。


 デパートの中にある百円ショップに足を進め、欲しいものを篭に入れた。レジに行き、代金を払った。帰途、居酒屋に寄り、店頭に陳列されたテイクアウト商品を眺めた。先客のおばちゃんが皮肉めいたことを云って、新人のおにいちゃんを困惑させていた。部屋に戻り、腕立て伏せをやった。風呂場に入り、シャワーを浴びた。酒飯の後に、スナイパーの第5話を観るつもりである。


♞下町の名脇役「キンミヤ焼酎」の水割り。肴は鶏の空揚げと烏賊の煮つけ。


 電車に乗り、渦の続きを読んだ。ラジオを聴きながら、職場まで歩いた。話題はコロナ、ドーピング、マネー・ロンダリングなど。広場の入金機に買物カードを挿し込み、三日分の食い扶持をチャージした。売店に入り、朝食を買った。窓際の卓席に陣取り、新発売の洋菓子を食べた。コーヒーを飲みながら、下町酒場巡礼の続きを読んだ。卓上を片づけてから、更衣室へ向かった。


 食堂に行き、Aランチを買った。いつもの席に座り、食事を始めた。本日の主菜は冷たくてドロドロしたもの。どうやら、シチューという名の料理らしい。副菜は白菜と油揚げを和えたやつ。前者も後者も中盤で消失した。残りの飯に味噌汁をぶっかけ、ザバザバと流し込んで一巻の終わり。トレイ返却後、休憩場所に移動した。長椅子に腰をおろし、巡礼収録の「秋田屋」を読んだ。


 地元駅下車。改札を抜けて、飲食街に足を進めた。居酒屋に寄り、テイクアウト商品を買った。家路の途中、弁当屋に寄った。帰宅後、テープに録音した『オンザレディオ』を聴きながら、腕立て伏せをやった。風呂場に入り、温水を浴びた。日記の編集を始める前に、世界樹Ⅳを30分ほど遊(や)った。暴れ熊を二体仕留めた。酒飯の後に、スナイパーの第6話を観るつもりである。


♞今宵の酒はトリスクラシックの水割り。酒肴は刺身四種。飯は幕の内弁当。


 歩廊に足を進め、いつもの電車の到着を待った。渦の「配列の異変」を読み始めた。思わぬ形で、暗号解読の場面が出てきた。面白い。さすがは清張先生。駅を離れ、職場に至る道を歩いた。途中、ファーストフードの店に寄り、コーヒーを注文した。味はさておき、常に熱いやつを飲めるのがありがたい。


 券売機に買物カードを挿し込んだ。交換後、壁際の席にAランチを運んだ。今日の主菜は肉野菜炒めのようなもの。小鉢は昨日と同じ。全ての感情を消し去り、黙々と空腹を埋めた。トレイを返却棚におさめてから、休憩場所に移動した。長椅子に腰をおろし、酒場巡礼収録の「うちだ」と「加藤」を読んだ。


 巡礼収録の「ホルモン道場」と「酒の肴ひと工夫」を読み終えた。卵黄の味噌漬けが旨そうだ。地元駅の改札を抜けて、デパートの地下売場に潜り込んだ。帰途、スーパーに寄り、総菜売場と鮮魚売場を眺めた。家に戻り、腕立て伏せを80回。ラジオの話題は「緊迫のウクライナ」について。風呂場に入り、シャワーを浴びた。酒飯の後に『闇の狩人』の後篇を観るつもりである。


♞トリスの水割り。アジのたたき、カレイの煮つけ、ガーリックチキンなど。

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