前作『八幡戦士』で描かれた治めの物語は、本作でさらに深く、広く広がっていきます。
八幡神の意を受けた八幡戦士たちが向き合うのは、現世に生じた淀み、土地に残された怨念、そして神仏と人の在り方そのものです。
この作品の魅力をひと言で説明するのはとても難しいです。
怪異を祓う物語、と言ってしまえば少し違う。
神仏の物語、と言ってしまっても、まだ足りない。
人の在り方を問う物語、と言っても、その奥にある畏れまでは伝えきれない気がします。
神とは何か。人はどう在るべきか。怒りや怨みを、ただ滅するだけでよいのか。
そうした問いが胸に残っていく物語なのだと思います。
重厚な題材にじっくり向き合いたい方、独自の世界観に深く浸れる物語を読みたい方には、かなり読み応えのある一作だと思います。