テクノロジーと夢想のエレガントな融合
- ★★★ Excellent!!!
なぜ人は星に魅せられるのか、と考えたことがあります。単純に美しいからなのか、生命の、宇宙の神秘を解き明かす手掛かりがそこに宿っているからなのか、象徴性に満ちた物語を伝えてくれるからなのか……おそらく理由はたくさんあって、人間が存在し続ける限り、星に惹かれる思いは消滅しないことでしょう。
「星空を疑似的に再現し、投影したい」という意思は、テクノロジーへの探求心からも、神話的な物語への憧れからも、生じうるものだと思います。技術とロマンの幸福な融合の結果として、プラネタリウムという装置は誕生したのだと、僕は信じています。
だから僕には、この作品が「アジア初のプラネタリウムの上映に情熱を傾ける青年の物語」と「星々の配置によって発生する奇蹟の物語」の融合としてあるのが、とても必然的、運命的なことに感じられます。舞台も、設定も、語り口も、すべてがこの物語に相応しく、美しく、読みながら驚愕してしまいました。
わずか7000字に濃縮された宇宙が、ここにはあります。素晴らしい一篇です。