第20話反魔王派とは?アッシュ、シスターとして潜入調査
宿に着いたら、情報交換も兼ねたテーブルを囲む
夕食のメニューに、少し見慣れない物が並ぶのは魔界が近いせいだろう
人間用に提供されてると聞いて、食あたりの心配はないと思いながら
ご飯を食べつつ、それぞれの意見交換をしていくうちに、夜はふけていく…
「そういえば、先輩とアッシュさんはお風呂行ってたんです?」
精鋭部隊の中での紅一点、自称「俺の奥さん」は聞く
「あぁ、男同士の裸の付き合いだぜ」
さっき一緒に言ってた人は先輩なのか…
「先輩、先輩」
閃いた俺は先輩に耳打ちする
「なに?名前を教えてもらってないのに、奥さんを名乗るだと?!」
やや大袈裟な声に、自称奥さんは顔を真っ赤にして先輩!と慌てて止めようとする
「そうですよ、ホーンペインからの護衛も兼ねてたのに、コードネームはコロコロ変わるから、奥さんと呼んでくださいっていうんですよ」
「確かにわかるが、さすがだなぁ…おい?コードネーム教えてあげろよ」
先輩の虎の威を借る狐、になってしまうが彼女の仮の名前でも聞ければ
俺は結婚してもないのに、既婚者になってしまうからなぁ…
「……コードネーム……共通のは、アリス…です…」
「アリスっていうんだな…改めて、よろしくな」
俺は握手を求めると、恥ずかしいのかゆっくり手を出して握手をする
「さて、情報交換したところで、まとめようか…」
精鋭部隊の部隊長らしき男性はパンと手を叩く
準備よく、一人がネグロドニア周辺の地図をばっと広げる
「アッシュから聞いた話だと、この辺のスラム街は…確かに目立つ。だが、ここの問題は単なるスラム街ではないという事だ」
地図を指で挿す。距離としては、数百メートルにスラム街がある。
「単なるスラム街ではない…というと?」
俺は気になった事を突っ込んで聞く
「俺たちの情報だと、反魔王派のテロリストが潜んでいる…という話だったが実際見たところ、本当に貧困で路上生活をしているのか、そもそも遊牧民なのか…全ての特徴が当てはまるスラム街になっている」
「と、いうことはテロリストか見分けがつかず、紛れてるってことか?」
俺が聞くと、そうだと返答が返ってくる
「しかし、魔王を信仰として見ているものは、我々でいう女神に祈りを捧げる集まり、礼拝の習慣がある」
俺は「女神」のワードに、子孫を残すような事をするなという「お告げ」をした目の上のたんこぶのような存在が脳裏によぎる
表情に出ていたのか、咳払いを挟み精鋭部隊長の男性は話を進める
「そこで、直近の礼拝の日が分かり次第、シスターや牧師として我々がネグロドニアの教会に潜入捜査をする。幸い教会は、女神派と魔王派とで一つずつあるが距離も離れているし、日程も別々だ」
部隊長と共に調査に出ていた、隊員が続けて
「シスター役には…と言いたいところだが、牧師とシスターは魔王派は兼任していることが多いらしい。ここで俺は適任はアッシュだと思う」
急に白羽の矢がたった話に、驚きを隠せず「え?!」と思わず声が漏れてしまう
「幸いにも我々は潜入のため、一応真似事であっても、礼拝の作法は学んでいる。万が一テロリストが紛れてる状態でも、我々はアッシュの護衛と信者の避難誘導に集中できる」
精鋭部隊の隊員は満場一致なのか、完全に俺がシスターor牧師になった場合のシュミレートの話をする
おいおい…まさか、ここに来て俺がシスターやるって話は……ないよな?
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