夜空に瞬く数多の星々。その無限の広がりは、都会ではもう見ることができない。だがプラネタリウムの中ならば、たとえ偽物であっても星々は輝いている。「人間、滅びちゃったね」軽やかな言葉で物語は始まる。人類は核戦争によって滅び去り、そこに立つのは天使たち。彼らは人間が遺したプラネタリウムという虚構の空を見上げ、何を思うのか。滅びと儚さの中に浮かび上がる、美しい虚無。この深く心に残る一作を、ぜひご覧ください。
どうして人はプラネタリウムを見るのか。本物の星が見たくてたまらなくなるように、というのが、この小説を読んだ僕の結論だ。未知の航路、新大陸、空への憧れ、そして宇宙……フロンティアに挑戦する者を夢想家と笑うことは容易い。しかし夢を見た者がいたからこそ、かなえられてきたものが確かにある。この小説から今こそ学ぼう。翼を持っているのならば、あきらめるな、恐れるな。たとえ道半ばで倒れても、あなたの憧れは決して絶えることはないのだから。