第一章 総会
龍牙総会
第1話
流さんの話によると龍牙の総会は、2時間ぐらいで終わる。
・・・らしい。
一年に一回、あるかないかの総会と言っても、
やる事は決定している。
まず、総長の挨拶に始まり、出席者幹部の紹介。
次に、新人人数と、現役幹部内での決定事項の発表。
そして最後に、
守人の決定&お披露目が、会の主旨だったからだ。
しかし今回は、前回までと同じではない。
初代総長の挨拶から始まり、そこから15代目まで
幹部を紹介していくだけでも、30分以上。
その上、初代幹部が、総長・結城流也さんをはじめ、
副長補佐・篠原司さん、特隊長・鳴瀬正さん。
そして、会から参加の、
情報参謀、今の黒龍に当たる巴 直人《トモエ ナオト》さんと
その補佐・今の紫龍になる西 幸人《ニシ ユキト》さん、
赤龍・結城梓さん・・・
総会初、初代幹部6名の参加。
その為今回ばかりは、初代中心で進められた。
開始当初、初代総長の言葉に会場は、騒然になったが、
その後の説明で、落ち着きを取り戻す。
その騒動の最中、私の為に呼び出された、圭志様と間崎さん。
そして、その2人と談笑中であった龍の幹部の巴様、
西島さんと叶さんも、それならと会場の方に出てきた。
その為この会は、闇と龍まで参加した・・・
言わば、前代未聞の会になってしまった。
その騒ぎからほぼ1時間後・・・・
私はその場で、15代目守人の承認を頂く事になる。
「・・・・15代目守人候補、小野寺淋です」
15代目総長・結城流さんの紹介と共に、席を立つ私。
『ただいま、15代目総長様からご紹介いただきました。
小野寺淋と申します』
と頭を下げ、挨拶をする。
すると頭上から
「淋さん。
ここに居る仲間に、何か話しますか?」
と志原さんに訊かれたので
『・・・私から話しても良いでしょうか?』
と、質問を返した。
すると志原さんは何も言わずただ頷くと会場に向かって
「お前等っ!!今から彼女が話す。
黙って聞きやがれっ!!」
と準備をした後、右手を前に出し、
私に‘どうぞ・・・・’と伝えてきた。
私は志原さんに向け、頭を下げた後、一歩だけ前に出ると
マイクも何も使わず、自分の声だけで話し始めた・・・
『私は、皆様に守人として選んでいただく前に、
お伝えしなければいけない事があります。
それは・・・
私の育った場所と、環境の事です。
私は、闇珠の高塔圭志様と、従兄妹で、
初代特隊長・鳴瀬正様は、叔父になります。
私が生まれ、育った場所自体が、龍と闇に縁があります。
その上今、この会に闇珠が数名出席しているのも
私が作ってしまった縁に関係したモノであり、
先ほど初代総長様のお話に繋がる、準備でもあります。
この様に私が守人に就くという事は、闇との縁を繋ぐ。
・・・と、いう事になると言う事です。
ですので私から、改めて・・・確認させて頂きたいのです。
龍牙の掟がある以上、無理な事かもしれません。
ですが私は、皆さんに1・・・個人としての答えを、望みます。
今、この場所に、闇珠が居る事。
そして、闇の同席は、絶対許さない・・・
その考えを持っておられる方は・・・いらっしゃいますか?』
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