ノーマルエンド(1)冷める
「何してるの?」重い空気を先に切ったのは彼女の口であった。
「別に何も…」コンクリートの空を見て答える。
「…ならいいや。…死にたいのならば死ねば?」彼女の言葉に怒りも何も沸かなかった。再び建物の縁に立つ腰が抜けそうだった。
怖い。いくら人生が辛くても悲しくても動物の生存本能には到底敵わなかった。
「そうか…君たちも最後には抗ったんだな…」彼女は僕の少しばかり言の葉を聞いたのだろうか必死の形相でこっちに向かってきた。
「君たちも最後は抗ったんだ僕もしっかりとしないとな…」
「ねぇ待って!私貴方に伝えたいことが!」
「そっか僕もだよ。君に伝えたかった」
建物の縁は綺麗な一つの音を出し僕は独り宙を舞う
「好きだったよ」
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