別れが分かっていても「好き」だから付き合った。

蒼葉海

第1話 留学2週間目、突然の告白

~留学2週間目のハプニング~

「明日、友達たちといるから来ない?」

ある日、クラスメイトに誘われた。

単純に嬉しかった。

深く考えず、「うん、行く!」って返事してその場を楽しみにしていた。


でも、まさかあんな展開になるなんて――全然想像してなかった。


待ち合わせ場所に着くと、彼はすぐに私を見つけて、真っ直ぐに歩いてきた。

そしていきなり、目をじっと見つめてこう言った。

「一緒にグループワークをしていて、気遣いができるところとかリードしてくれるところとか、本当に素敵だと思った。」

えっ、なんでそんな急に…?と困惑している私をよそに、

彼は具体的に私の内面を褒めてくれた。

「だから好きなんだ。すごく好き。もっと君のことを知りたいんだ。」

ストレートすぎる告白に、頭が真っ白になる。

しかも、こんなにも展開が速いなんて――日本じゃ考えられない!


「ちょ、ちょっと待って。私、まだあなたのこと全然知らないよ。」

半信半疑にでも、傷つけないようにやっとの思いでそう答えると、彼は真顔で聞いてきた。

「じゃあ、俺のこと知りたいの?それとも、興味ないの?」

そのあまりにも直接的な問いに、思わず言葉を詰まらせる。

「いや…分からないってば!」


だけど、正直彼に興味は持てなかった。

私は「ごめんね」とだけ伝えた。

彼はその場で少し泣きそうな顔を見せた後、急に立ち上がってどこかへ行ってしまった。

その背中を見送りながら、ただただ戸惑う私。


「留学生活、どうなってんの…?」


そう思った矢先、彼の友達4人と一緒に過ごすことに。

だけど、まさかそこでまた――。


そのうちの1人が、突然私に近づいてきて、言った。

「今日会った時にいいなって思って。俺と今度デートしてくれない?」

えっ、ちょっと待って!?

さっき振ったばかりの彼の友達だよね!?


ちょっと待っててと言われ、どこかに行った。

しばらくすると、彼は紙で作ったバラを1本差し出してきた。

「これ、君のために作ったんだ。」


その不器用だけど真剣そうな表情に、少しだけドキッとしてしまう。

でも――展開が速すぎる。


「ちょっと考えさせてほしい。」

警戒心MAXの私は、それ以上何も言えなかった。


結局、そのデートは実現しなかったけど。


後日、最初に告白してきたクラスメイトには実は彼女がいることを知った。


衝撃で言葉も出ない。

「結局遊びだったのかな…」

それとも、「本気でいいなって思っただけ?」


本音を言うと、どちらでもよかった。

ただ、心のどこかで「信じるのは怖いな」と感じてしまったのは確かだった。


留学2週間目。

「こんなこともあるのか」と思いながら、私は心に決めた。


「警戒心を忘れないようにしよう。簡単に流されないようにしよう。」


「日本人は“ちょろい”って思われてるって聞くし…勘違いして自惚れないようにしなきゃ。」


そんなスタートから始まった、私の留学生活。


~次回予告~

「来る者拒まず、去る者追わず。」

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