第16話 ユニークモンスター

リリー、従魔って何?おいしいの?


プルプルしていて

ゼリーみたい、水銀におも見えるけど~


はい、普通は自我の有る、モンスターを力で屈服させて、

従わせるっス、まあ、サーカスのライオンやトラみたいなもんっスが

魂を縛るので、油断して、襲われる事も無いっスし、


召喚士などは、精霊などと契約して、従魔にするっスよ~


この、メタルスライムの子なんスけど、


スライムに自我は無いっス、無限の食欲本能だけっス、


なのに、この子は、自分から従魔になったっス、


と言う事は、自我を持って居る可能性があるっス。


ダ・・・マスターこの子の声が聞こえるっスか?


うん、さっきから、俺の事を好き好き大好きって


念話で言ってるよね、


そうなんス、明らかに、自我を持って居るっス、


恐らくですが、この子、ユニークモンスターっス、


へっ?ユニークモンスターって?


はい、特別な力や能力を持つモンスターの事っス。


へ~、良く分からん、


「お前ユニークモンスターなんだってさ、」


なんかピョンピョン跳ねて喜ぶメタルスライムの赤ちゃん、


「「えっ!ユニークモンスター!!」」


食べるのを止め、立ち上がり、チビスライムから


距離を取る二人、


「ん?ビックリする様な事なの?」


「それはそうです。一生涯まず、お目に掛る事はない


激レアモンスターって、タカシ様、危険ですので離れて下さい。


何があるか分かりません、」


「えっ、そうなの?この子、俺の、従魔になってんだけど?」


「「従魔?」」


今度は力が抜けて、床にへたり込む二人、


お互いの顔を見て、


「タカシ様ですから、」


「タカシ様ですものね~」


「「ですよね~」」


何か、納得されてしまいました~


「お前、名前無いと不便だね~


んん~と、お前の名前はポチでいこうね~」


「「ちょ、ちょっと、タカシ様~!!」」


「ん、な~に?」


「そんなに簡単に名前を付けては、いけません。

魔力を持って行かれます~」


「名付けとは、特別な意味があるのです。


その子はタカシ様の眷属になってしまいました。」


「そ、そうなの?


あ、なんか、ボコボコしてる。」


チビスライムの体が縦に横に何か凄いことになっていた。


「「た、タタカシ様、体は大丈夫ですか?」」


「うん、何で?」


「モンスターに名付けなんてしたら、魔力を吸い取られて、

普通に干からびてしまいます。ましてや、ユニークモンスターであれば、


大魔導士様でも干からびちゃいます~」


「タカシ様って・・・・」


「はい?そうなの~」


「「もう良いです。」」


「なんかすいません。」


そうこうしている内に、ポチの様子が落ち着いた。


「何か大きく成ってね~?」


ポチの体がパチンコ玉から、ビー玉位に大きく成っていた。


「「大きく成っていますね~」」


ポチは相変わらず、念話で、


ポチ、マスター好き好き大好き~


これ、一応変体だよね~何か変わったのかね~?


はい、マイ・・・マスターポチは従魔から、


従魔、眷属にランクアップしているっス、


レベルは1から行き成り25になってます~


スキルは、まあ、まだ赤ちゃんっスから、これからっスね~


だよね~まだ赤ちゃんだもんね~


ポチ~体力使っただろ~お腹減ってないかい?


ポチ、お腹減った~


じゃあ、これ食べて良いよ~


ポチの前に食べ掛けのトンカツの皿を置いてあげると、


ポチは触手を伸ばして、箸を掴み、器用にトンカツを掴むと、


体を薄く広げてその中にトンカツを入れて包み込んだ。


そして、トロトロと溶ける様な仕草で、


美味しい~ポチ幸せ~マスターだ~い好き~


なんとも、幸せそうに食べている。


表情は無いのだが、


「味が分かる様だね~」


「「みたいですね~」」


「「「不思議だね~」」」


「おっと、俺はもう一回、自分の分を、作り直して来るから、


マリーとエメルダもご飯を食べてね、」


「「あ、はい、すっかり忘れていました~」」


すぐに自分の席に着き、ご飯を食べ始める二人を見てから


厨房へ行き、もう1人前トンカツとチョコパフェを作った。


出来た頃には、3人とも既に食事を終えていたので、


チョコパフェも一緒に持って行った。


3人とも幸せそうに、福笑い顔で、チョコパフェを食べている、


俺もトンカツを食べてから、チョコパフェを食べた。


ファミレスで美味しい食事をし、デザートを食べる。


最強コンボだ!


食後各自好きな飲み物を飲み、


ピアノのスロージャズを聴きながら、くつろいでいると、


リリーが、


マイ・・・マスターもうすぐ夜が明けるっス


そろそろ休まないと、明日に差し支えるっス~


そういやそうだったわ~


「それじゃあ、みんな、歯磨きをして寝るよ~」


「「は~い」」


歯も無いのにポチも歯磨きをしていた事には


触れずにおこう、


「今日は食堂のソファをベットに使って寝るよ~


1台に一人しか寝れないので間違わない様にね~」


「「ぶう~ぶう~」」


そう言って、ソファに寝袋を広げて行く、


「はいそこ、マリー全裸にならない、下着は着たままで、


エメルダ、パンツを脱ぐのはやめなさい、じゃあ、明日も大変だからね、


おやすみ~」


「「おやすみなさ~い」」


皆の良い所は寝つきが良い事だね、って


お腹をかきながらいびきをかくマリー、


パンツに両手を入れて又をかきながらいびきをかいて、


ぎしぎし、歯ぎしりをする、エメルダ・・・・


「おっさんかよ!うん色気も何もね~」


皆の良い所は寝つきの良い事だ・・・・・


ポチも俺の胸の上で幸せそうに寝ている。


そんな事を考えている内にいつの間にか眠りに飲まれて行った。


ピピピピピピピピ・・・・


アラームの音で目覚めた。


マイ・・・マスターそろそろ起きても良い頃合いっスよ~


んん~リリーお早う~今何時~?


昼を少し過ぎた位っスね~


「ふぁあ~あ~」  リリ~


はい、なんスか~?


ベットのある部屋が欲しいんですけど~


流石にファミレスのソファアで寝るのは疲れるんですけど~


そうっスね~それじゃあ、スタッフルームと店長室を作るっス~


店長室にはベットと執務用の机と、ソファアを置いて、


あっ、ロッカーも必要っスね~


スタッフルームには、長机とパイプ椅子2段ベットを2セット


これで4人夜勤が出来るっスね~おっと、ロッカーも8人分、


置いておくっス~シャワー室もオマケで付けておくっス、


バスタブ付きっ、スホワイトな環境の職場っス~


なんか楽しんでね~?


そんなこと少しはあるっス~


ま、程々にね~


は~いっス~


あくびをかいて、延びをして、窓の外を見ると、


海だった。窓の風景はリリーがチョイスしているのだった。


「あっ、カモメが飛んでる。」


皆を起こさない様に、厨房へ行き、朝、昼、兼用の

ご飯を作るのだが、


「何が良いかね~起きたてでしつこい物はな~


シャケ定食にするかね~」


冷蔵庫からシャケの切り身を一人2枚で8枚用意して、


焼き始める。焼いている間に、皿を4枚出して、


後、おかずのりを、4人分と生卵を4人分


ご飯をよそって、ワゴンに、


味噌汁はサラダバーにあったよね、


シャケが焼けたら、ハイ出来上がり、


匂いにつられて、背中に張り付いている、背後霊の

二人に、


「マリー、エメルダ、ワゴンに乗せたお昼ご飯を

配膳してくれるかい?」


「「はい、承知致しました。」」


二人が配膳している間にデザートを作る。


今日はママゾンでバケツプリンを買って、プリンアラモードだ。


出来た物を冷蔵庫に入れて完了。


厨房から顔を出して、


「は~い、食事の前に顔を洗って、歯磨きをするよ~


全員集合~」


「「は~い」」


洗面所で顔を洗って、席へ、


何故かポチも顔を洗っていた。


皆に玉子かけご飯を作って、おかずのりの食べ方を教えて、


おっと、忘れちゃいけない、味噌汁をサラダバーに取りに行って


配膳した、


「では、」


「「「いただきま~す。」」」


皆、上手に箸を使っているわ、って、黙々と食べているよ、


3人とも幸せそうに、食べている。


ポチは表情が無いが、


おいし~おいし~ポチ幸せ~マスタ~大好き~

と、念話が聞こえている。


美味しい昼食を食べた後は、お待ちかねのデザートだ。


「マリー、エメルダ悪いけど、食器片ずけてくれるかい~」


「「は~い」」


二人は、食器をワゴンに乗せると厨房の流しに置いた。


俺は、空いたワゴンに冷蔵庫で、冷やした、バケツプリンの


プリンアラモードを4人前乗せると、


何故か、手を取り合って、踊りだす二人、肩の上でも


ポチが躍っている。


喜びすぎでしょう。


「じゃあこれ持つて行って~ドリンクバーで、好きな飲み物入れて行ってね~


あっ、俺はアイスコーヒ-ねっ」


「「は~い」」


三人は凄く幸せそうに、福笑い顔でプリンアラモードを


食べている。ポチに表情は無いのだが、


女の子は甘い物が好きだよね~


ポチは女の子かどうか分からないけど~


スライムって性別あるの~?


デザートを食べ終わり、海を見ながら、スロージャズを聞いて


くつろいでいると、リリーが


マイ・・・マスター私がポチの教育係をしていいっスか~


あっ、其れは有り難いね、宜しく頼むよ~


了解っス~最強の従魔に仕上げるっス~


いやいや、名前で分かるだろ?ポチはペット枠だから、


最強とか要らないから~


それでは、最強のペットに仕上げるっス~


もう、良いです~程々にね~


はい!了解っス~


俺は、マップを開きバンジョさんの、動向見てみた。


さすが、行動が早く夜明け前にはもう、

出発していたのだが、現在すでに、ゼオ砦を越え、

ガハ砦に向かっていた。


ジオンの街のほうは、バンジョさんの後を追う様に、

沢山の人が、ヨシュア王国に向かって逃げ始めている。


「これは、もう一押しで、兵が動くかも?」


「「タカシ様どうかされましたか?」」


「いや、バンジョさんの動向を見ていたんだけど、


馬車隊キャラバンは順調に進んでいるみたいだし、


結構な数の人達が、ヨシュア王国に向かって移動を開始しているんだよね、」


「「そ、それは、少し安心しました。」」


「エメルダ、冒険者ギルドの公式の用紙何て有るのかな?」


「ええ、有りますよ、ギルドの判を押した羊皮紙が、」


「じゃあその紙にノル砦前の原始の森に数万のモンスターを

確認した。今すぐに物見を出して、確認されたし、と書いてギルドマスターの

署名を入れてくれないかい?」


「たかし様、流石っス~これなら・・・


はい、ギルマスの署名付きならば、守備兵も動くでしょう、


しかし、どう手紙を渡しますか?」


「長城を超える時に矢に付けて、長城に置いておこうと思うんだ、」


「矢文にするのですね、それは良い考えです。


日に4回物見の兵が通りますので、上手くいくかと思います。」


エメルダは早速、羊皮紙を取り出すと、書き始めた。


最後にギルドの封蝋をハンコ代わりに押し当てて出来上がり


俺はそれを受け取り、矢を1本出して、矢に括り付けてストレージにしまった。


準備は完了だ。


「それじゃあ、出発しようか、今日は、長城が見える所まで行って、


日が暮れるのを待って、長城に向かって、長城を越えてから、


野営するよ~」


「「は~い」」


夜営と言っても、食堂に泊まるので、


宿に泊まるより遥かに良い環境だ、食事も美味いし、


何より金が掛からず、安全だ。


俺たちは夜営地を後にして、マップを見ながら、荒れ地を進みだした。


3時間程歩いて丘を越えると長城が見える所まで来た。


「へ~、あれが長城か~長いね~」


「「長いですね~」」

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