「どうしてこんな田舎にスナック出そうと思ったの？？」

田舎道を見渡しながら素朴な疑問をしーちゃんに投げかける

「和毅(かずき)の地元だから」

「へー………そう」

和くんの地元ね、知らなかった

和くんて言うのはしーちゃんのパートナー

私のママのパパに当たる人

私にとっては祖父にあたる、らしい人

だけどしーちゃんとは結婚はしてないし

ママの事も認知していないから正式には祖父とは呼べないし

実際、年に1、2回会う程度だったから

遠い遠い親戚のおじさんみたいな感覚

元々しーちゃんと和くんの事は詳しくは知らなかったし聞く気もなかった

まぁ、とにかく複雑なんだろッて思ってたくらい

幼い頃から "かずくんと呼べ" って

２人に言われ続けてたから、ずっと苗字すら知らなかった

　　　そんな "和くん" が突然死んだ

お通夜にも葬儀にも出ていないから余計に

"亡くなった" って実感が全くなくて

ただただ不思議な感覚

しーちゃんは、ただ和くんが亡くなったって事をサラリと私に伝えた

そしてさらに

【日本トップクラスの"菅原組不動のナンバー2"だった】

　と、言う事実をまるでおまけの様に付け加えた

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