※読み合い企画からのレビューです
物語は、伯爵令嬢である主人公・エミーリアが、婚約者であるクリフに婚約破棄を言い渡されるところから始まる
クリフの傍には、エミーリアにいじめられたと主張する子爵令嬢がいて──そう、「いつもの」だ
レビュー者も何度読んだかわからない、中世ファンタジー風恋愛系ざまぁの冒頭である
とは言え、レビュー者も恋愛系ざまぁは嫌いじゃない
そのまま読み進めていくと、読者は「おや?」と小首をかしげることになる
物語の流れが、定番のそれから徐々にずれていくのだ
それも、予想外の方向に
主人公のエミーリアは、自覚こそないものの、非常に魅力的で男女共に魅了してしまう魔性の女だ
ネタバレは避けるが、そのモテっぷりが、彼女に面倒事を運んできてしまう
それが、非常に面白い
特に、第二章での展開が良い
あまりにも意外な人物の頑張るさまに心打たれる読者も多いのではないだろうか
本作品がこれからどう転がるのか、幾度も予想外の方向に舵を取った本作ゆえにまったく想像がつかない
ただの恋愛系ざまぁと思って侮るなかれ
是非、本作品を手に取ってみてほしい
婚約破棄ものではありますが、流れがよくあるタイプとはかなり違います。
主人公のエミーリアは黒髪にアメジスト色の瞳の極めて美しい少女ですが、自分ではそこまで美しいとは思っておらず、そのせいで周囲を無自覚でどんどん恋愛の混乱の渦に巻き込んで行くところが面白い!
エミーリアにはクリフという婚約者がいましたが、2人の仲は悪く、クリフは別の令嬢に騙されてエミーリアを勝手に婚約破棄してしまい、そのことが後に彼の公爵家に大打撃を与えることになります。
一方、婚約破棄されて自由の身になったと喜ぶエミーリアを、以前から恋しいと思う者たちがアップをはじめ、挨拶やプレゼントの嵐が始まってしまいます。
この、ドタバタなやりとりが秀逸です!
フリーになったエミーリアを、王族すらも狙い始め、取り巻く一般生徒たちに加えて、婚約破棄したはずのクリフまでが心を入れ替えるという状況に、ワクワクが止まりません。
オススメです👸💖