あくまで一人旅を貫くか！　ディケイドよ

驚異的な身体能力と特殊能力を持つ男。ディケイド。

ある日、その青年は見知らぬ場所で目覚める。
未知の野獣と独りで戦いながら、この世界で生きてゆく術を身につけ、そして物語はこの世界の真実へと迫っていく。

読みやすいライトな文体で書かれながらも、敢えてソロを選ぶ主人公の悲哀。
ようやく人に出会い、彼らを助け、女性に愛されながらも、彼は去って行くのだ。
まるで土から創られた原初の男、アダムが、再び独りで土に還ることを望むように。

ディケイドの言葉は優しく、その行動は皆から信頼を得る。
故に皆から仲間になって欲しいと言われるが、彼はより危険な道を選択し、独り旅立つ。

その理由は作中で語られるが、新しい冒険が始まる度に、真相へと近づく期待感と共に彼を孤独から解放する女性との出会いがあるのか？　という期待で次話をクリックしてしまい、止まらない。

出会う女性が皆、パーティーに加わるという定番をぶっ壊す希有な作品だ。