第4話 開戦

決戦当日の2時間目休みが始まった。

「おい黒美!スターカードで勝負だ!勝って罰ゲームを辞めさせるぜ!」 

「お前ごときにわざわざ私が出るまでもないわ。行け、楓太、駆。クズを潰せ。」

黒美の指名の後、教室掃除の男子生徒が2人、黒美の前に歩いて来た。

「俺達2人がかりで燈真を叩きのめしてやるぜ。」

2人の生徒はそれぞれスターデバイスを持っていた。

「なぜお前らがそれを!?」

「黒美に渡されたんだよ。お前を潰すためにね。」

「クズを徹底的に潰すために新しいスターデバイスを用意してもらったのさ。」

2人の教室掃除がカードをスキャンすると、バイクに乗ったボロボロな服を来た骸骨と巨大な黒いサソリが現れた。

「クソ、俺1人でやらなきゃいけないのか……!!」

燈真はブレイズカイザーを召喚した。

「行け、スカルレーサー!ダークアクセル!!」

「やれ、アイアンスコーピオン。デススティンガー!!」

バイクのアクセル全開で突撃するスカルレーサーと毒針を構えて走るアイアンスコーピオンがブレイズカイザーに迫る。

「やるしかねぇ、インフェルノファイアブレス!!」

ブレイズカイザーが口から炎を発射した。炎は教室掃除のモンスター達に当たり爆発した。

「やったか…?」

爆発して発生した煙が風で流れる。燈真は相手を倒したと思ったが、煙の中から出て来たのは炎を完全に防いだアイアンスコーピオンと後ろで一度バイクのブレーキをかけて再び走る準備をするスカルレーサーだった。

「装備カード、象虫の鎧〜。これで僕の昆虫モンスターの防御力は大幅アップするのさ。」

教室掃除の片割れ、砂山楓太(すなやまふうた)は勝ち誇った顔でカードを見せつける。もう1人の教室掃除、漆田駆(うるしだかける)がカードを構える。

「後は俺のスカルレーサーで決めるぜ。もう一度ダークアクセルだ!!」

スカルレーサーが轟音と共に再びバイクのアクセルを全開でブレイズカイザーに突撃しようとした時だった。

「2対1は卑怯じゃないかな。フェザーバレット!!」

教室の後ろから風と共に青い鳥の羽がいくつも飛んで来た。一同が教室の後ろの方を見ると、カードを持ったハヤトが腕を組んで立っていた。そしてハヤトの横には白いペガサスが青いオーラを纏って羽ばたいていた。

「ハヤト、そのカードは…。」

「教室掃除、君達のやり方が気に食わなかったんだよね。偉そうに罰ゲームやらせる所とかさ。君達と戦う力を望んだら来てくれたのさ、この晴天馬サニーゲイルをね。正々堂々1対1で勝負だ!」

ハヤトが教室掃除に宣戦布告をした。

「ハヤト、お前もクズの仲間だったか。まぁいい、1対1でも潰して来い、楓太!駆!」

「潰れるのはお前らの方だぜ、教室掃除!まずはこいつらを倒してやるぜ!」

こうして教室の黒美以外のスターカード使いの4人がカードとデバイスを構えて宣言をした。

「スターカード!レディーファイト!!」

掛け声の後に教室にはいつの間にか別空間が広がっていき、闘技場のような場所に移動した。4人以外の生徒達は横の観客席に移動させられた。マッチングは燈真vs楓太とハヤトvs駆になった。

「レギュレーションは3ポイントマッチだよ。先に相手モンスターを2体倒したら勝ちとなるのさ。最初のモンスターを召喚しな。」

「へっ、望むところだぜ!!」

燈真と楓太が同時に手札に来たモンスターカードを1枚スキャンする。

「熱き砲撃で全てを蹴散らせ!フレイムキャノンドラゴン!!」

「どんな相手も網で止めるよ。メカスパイダー!!」

燈真はフレイムキャノンを、楓太は銀色の蜘蛛型ロボットを召喚した。

「こっちも始めるか、幸せのブルーバード召喚!」

「受けて立つぜ、走れ、オニレーサー!!」

ハヤトは美しい青い鳥を、駆はレーシングカーに乗った鬼を召喚した。

こうして教室掃除と反逆者達の対決の幕が切って落とされた。

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