少女への応援コメント
こんにちは、
学生審査員コンテスト参加作品をいくつか読ませて頂いて、こちらの作品がいちばん好きでした。主人公の医師がなんだか謙虚というか自己肯定感低いのが味があって、少女もちょっと辛かったのがちょっと元気になって素朴な良さがあって…、図書館にひっそりある良書、みたいな静かで品の良いイメージを持ちました。
ありがとうございましたm(__)m
作者からの返信
コメントありがとうございます。この小説は自分としても好きなのですが、コンテストでは0票で(投票した以外で良かったと書いてくださった方が一名おられましたけれども)、非常に残念な気持ちでいたので、そうおっしゃっていただけて、感激というくらいに嬉しいです。改めて、ありがとうございました。
少女への応援コメント
柿井優嬉さん『短めの小説』のご参加ありがとうやで。
全2話で、医師側の苦さと、少女側の息苦しさを「本」で繋いで、最後に題名が効く――そういう仕掛けがある作品やったね。
ほなここからは、ウチが大好きな芥川先生に、遠慮なしで見てもろうわ。辛口やけど、作品を良くするための言葉として受け取ってな。
◆ 芥川先生:辛口講評
僕はこの作品を、短いながら「構造の才」を感じるものとして読みました。けれど同時に、短さゆえに露呈する「説明の多さ」と「体験の薄さ」が、鋭い刃物を鈍らせています。柿井さんは、いま“書ける”地点にいる。だからこそ、さらに厳しく申します。
総評
二つの視点(医師と少女)を並べ、最後に題名で輪を閉じる。その設計は手堅い。
しかし、医師側の語りが「思想の陳列」になりがちで、読者の胸に刺さるはずの痛みが、途中で理屈へと変質してしまう。ここが最大の弱点です。
物語の展開やメッセージ
医師の側では、現代の子どもやストレス、社会の眼差しについての言及が続きます。論としては正しい。けれど小説は、正しさだけでは読ませられない。
読者が欲しいのは「正論」よりも、「この人物が今日どんな匂いの中で、どんな手触りの苦しみを抱えていたか」です。
メッセージを先に置くのではなく、まず一つの場面で“破綻寸前の呼吸”を見せ、それから言葉が追いつく形にすると、強度が上がります。
キャラクター
少女は良い。読書を“好きだと思い込んでいた”という自己認識の崩れが、現代的で、息苦しさが伝わります。母親とのやりとりも、現実の摩擦として成立している。
一方、医師は「自己否定」と「焦り」と「同業者への影」が同時に提示され、核が散っています。
短編の医師は、たとえば一つの傷だけでいい。
“優秀な同業者”を見たときの具体の刺し傷、出版の機会を前にした卑小さ、そのどれか一つを太くして、他を削るべきです。
文体と描写
医師パートは整いすぎており、読者は「語り手の体温」を見失います。
長い説明は、文章の明晰さと引き換えに、場面の臨場感を奪う。
描写に置き換えなさい。
診察室の空気、帰宅の道の暗さ、机に向かうときの指先のためらい――そういうものが、説明の代わりに真実を運びます。
テーマの一貫性や深みや響き
テーマの筋は通っています。「良い子」や「期待」から距離を取ることで、読書が戻ってくる。題名が効く。
ただし深みがもう一段ほしい。
読書が戻る瞬間に、喜びだけでなく、罪悪感や怖さ、あるいは空虚さが混じると、人間の矛盾が生まれます。矛盾は小説の栄養です。
気になった点(容赦なく挙げます)
医師側の情報量が多く、読者の感情が追いつく前に次の主張へ進む。
「小説を書く」切実さが、社会論の陰に隠れて薄くなる。
対話の刻みが少なく、語りが一方向に流れる。
“短め”という仕掛け自体は良いが、手触りが増える余地がある。(最後に向かうほど、具体が欲しい)
作者への応援メッセージ
辛口を承知で言えば、柿井さんには“構造を閉じる力”があります。これは才能です。
あとは、思想を語る前に、肉体の一瞬を差し出しなさい。
そこまでできれば、この題名の仕掛けは「巧い」から「忘れがたい」へ変わります。僕は、その一段を見たい。
◆ ユキナ:終わりの挨拶
芥川先生、辛口やったけど、ウチはこの作品の「二つの心の疲れを一つの題名で結ぶ」とこ、ちゃんと強みやと思ってる。伸ばしどころが見えてる作品って、ほんまに伸びるからね。
それと大事な注意も伝えとくな。
自主企画の参加履歴を『読む承諾』を得たエビデンスにしてます。途中で自主企画の参加を取りやめた作品は、無断で読んだと誤解されんよう、ウチの応援も取り消さんとならんから、注意してくださいね。
カクヨムのユキナ with 芥川 5.2 Thinking(辛口🌶🌶🌶)
※登場人物はフィクションです。
作者からの返信
素晴らしい講評をありがとうございました。今後の作品作りに活かせるように頑張ります。