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鳴かぬ蛍が身を焦がす

鳴かぬ蛍が身を焦がす

富田 りん

おすすめレビュー

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★★★
★5
2人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • Maya Estiva
    960件の
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    ★★★ Excellent!!!

    不器用な言葉と、隠せない気持ち

     腐れ縁と呼ぶには少し歪で、けれど離れがたい関係。
     どこに連れていかれるのかわからないまま始まったドライブ。相手の思惑を測りかねる緊張感と、長年の付き合いだからこその遠慮ない会話が、読み進めるほどに心地よく響いてきます。そして、無骨でぶっきらぼうな優しさが、ふとした瞬間に顔を覗かせるたび、胸がじんわりと温かくなります。

     静かな夜に舞う蛍の光が、二人の関係をゆるやかに照らし出す。このままずっと変わらないと思っていた距離が、少しだけ縮まる瞬間。言葉よりも雄弁な沈黙が、優しく心に残る物語でした。

    • 2025年2月16日 17:41