気配を消すプロ?


 テスト前最後の金曜日。三時間目の国語が終わり、昼が来た。

 私たち生徒は肌寒い渡り廊下を、ヘロヘロの足で歩いていた。


 来週には、期末考査地獄が待っている。

 そのため、死に物狂いで勉強をしてきた私たちの頭は……もう爆発寸前だ!


 死んだ魚よりヒドイ顔で教室に戻った私たちは、各々の机に荷物を置く。

 そして、荷物を片付け終えた瞬間、皆が一斉にカバンを漁りだす。

 取り出したのは……財布。


生徒全員

(あぁぁぁ……頭が、本能が、ブドウ糖を欲しているぅぅぅ…………っ!!)


 そんな甘いものに飢えたゾンビJK達がゾロゾロと向かったのは……そう、購買だ!


 私たちは購買コーナーのお兄さんにドン引かれるような勢いで菓子パンやら総菜パンやらを買い込んだり、コーナーの横にあるスナック棚のものを根こそぎ買い占めていく。


 購買は弱肉強食の世界だ。少しでも遠慮したら、他のゾンビクラスメイトに欲しいものを買われてしまう。なので、皆必死になって欲しいパンを腕に抱え込む。


 私はなんとかお気に入りのシーフードピザパン(260円)と、チーズベーコンエピ(130円)、を購入できたので、安堵のため息をつきながら、教室に戻っていた。


 私の目の前には、一足先に購買の戦いを制したクラスメイト達が三組ほどに分かれて歩いていた。私は彼女たちの3歩後ろくらいを歩いていた。


 彼女たちは教室の扉を開け、ゾロゾロと中へ入っていく。

 私もそのまま教室へ入ろうと足を踏み出したのだが……


 ……ピシャンッ!


 私の目の前で、ドアは勢いよく閉じられた。

 あまりにも急に閉じられたので、私は咄嗟には立ち止まれず、そのままドアにぶつかってしまった。


 その音に気が付いたクラスメイトが、ビクッとこちらを振り返る。


クラスメイト

「……あ、ごめん!? コチョタイ、いたんだ?!」

「わ、ホントだ!? ごめーん、気が付かなくて……廊下寒かったから、つい!」


 などなど、口々に私への謝罪を口にするクラスメイト達。悪気はなさそうなので、私は「いいのいいの~」とヘラヘラしていた。

 ……が、内心ではこう思った。




 今日、これで3回目なんスよ……(´・ω・`)

 まぁ、みんな疲れてるから、仕方ないんだけどさ……私、影薄いのかしら(´;ω;`)


 



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