【22】商業都市ライカールト2

やっと解放された

まさかの4時間も慰め続けることになるとは


ミリアは今、書類を片付けている。俺は出された紅茶と試作品のケーキを食べている。

「ルア、もう少しホイップを甘めにしてもいいと思う」

ルアと呼んだ女の子は答えた

「わかりましたっ!」

そう言ってメモをしていた。ルアは真面目で努力家である。毎度こうやってなにかを作ってくれるから食べてアドバイスしている。


ケーキとかも当たり前のようにあるんだけど理由はグランなのだ。

グランが異世界に来たのはこの世界の歴史で表されるものよりも前に来たということだから今の年月は星暦8936年9月14日つまり最低でも8936年も前からいたということになる。

まあ簡単に言うとグランが趣味で現代の家電製品を魔道具として作って広めたということだ。


台所にはガスの代わりに火の魔石を使ったコンロがあるし、なんなら街の噴水や街灯も魔石を使った魔道具でできている。

はっきり言うと便利。超便利

だって異世界転生しても現代と似たような道具があると本当に便利


などと考えてたらミリアが書類を片付け終わった

「《沈黙結界箱サイレンスボックス》」

風系統中級魔法|沈黙《サイレンス》と無系統中級魔法|結界箱《ボックス》の複合魔法

「前より上達したな」

「これでも合間を縫って練習してたんですよ」

すっごいどやってる

( *¯ ꒳¯*)どやぁ←こんな顔してる


「それでセト様は何しに来たんですか?まだいつもの集会までありますよね?」

「今回はセトとしてきたけど教えておこうと思っててね。実は俺がこの街の次の領主になったから」

「へ〜。そうなんですね〜。・・・・ほえ?」

「ほえ?」

「えっ、それって四天都市の一つである商業都市ライカールトの領主ってこと?」

「そうって言ってるじゃん。大丈夫?もう一回いつものやる?」

「え、知ってる?今この街は闇ギルドのせいで売上も赤字で潰れるところが多いんだよ?」

「ふーん。やっぱり闇ギルドか、、、、、」

「セト様、ぎゅー!!」

ミリアはいつの間にか真ん前にきて抱きしめてきた

やばい、ミリアは胸が大きい、いわゆる巨乳と言うやつだ。苦しい、息!息がァ

「ミリ、、ア、、、、くるじぃ、、、、」

「はっ!しまった!ごめんなさい」

「ぷはぁ。死ぬかと思った」

「ごめんなさい。セト様が、いけない魔力が出てたからつい」

「いけない魔力、、、、」

俺は魔力を放出していない、、、、はず


「セト様、このことはライちゃん達には言ってないんですか?」

「ん?言ってないよ。ミリアが最初」

「わたしが、最初、、、ふふっ」

なんか楽しそうだなぁ。

「あっ!それよりもセト様。この商業都市ライカールトは王国の四大都市のひとつですよ?」

「四大公の一人になったね、うん」

「それってスローライフとかけ離れてません?」

「うっ、それを言われるとなぁ。確かにそうだけどよっぽどのことがない限りパーティーとかって断れるでしょ?」

「あっ(察)」

「それに四天結界が気になったってのもある」

「調べましょうか?」

「いや、いい。詳しく知ってる人?を知ってるから」

「わかりました」

_______________

グラン→「クシュッ、花粉かなぁ?ズビズビ」

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

五爵の公爵より上の大公になったということ

前の領主であるデイビット・R・オーレルは去年の魔物群の厄災スタンピードでリーダー格のアースドラゴンを瀕死に追い込んだが、最後の最後で殺られてしまったそうだ。


話は変わるが、妹のミリーが回復を受け付けなかったのは、勇者の職業ジョブと万能極地の才能センスが干渉しあった結果、勇者固有スキルの中の常時発動パッシブスキル『全耐性:上級』と合わさって『全耐性:極』になった結果、毒系統だけでなく、回復すら防いでしまうようになった。

だからああいった傷を治すのは大変だった

普通の怪我なら《全回復フルヒール》の連続使用ではなく重ね掛けで何とかしていたのだが、今回のは呪術と魔術に気術の混合術式だったから治せなかった。

それと俺の『鍵』の元がなにかを気づくことが出来たのも大きい。俺の『鍵』の起点となるのは、Dランクの『鍵使い』とSSランクの『大図書館』が融合して鍵使いが表に出ていた結果、『鍵』だけが表示されることになり、鍵の能力が全面的に出てきて大図書館の能力が封印状態になっていたのを使って何とか凌ぐことが出来た。


「そういえばあのペンダントはどうなってるの?」

「ペンダント、、、、あっ!そうですよ。ペンダント!セト様、ペンダントが光っていてもう魔王が復活しています!だから討伐を.....」

「やだよ?」

「へ?なんでですか?魔王!魔王ですよ?世界の敵です!倒さなきゃ!」

「なんで敵なのが前提なの?そもそも魔王と話したことあるの?ただ一方的に殺してるだけでしょ。対話しろよって思うんだけど」

「た、確かにっ!」(*゚ロ゚)ハッ!!


そういえば昨日なんか手紙来てたな。内容読んで「なんかやだな」って思って断ったシカトしたんだった。

「そういや昨日手紙で勇者パーティーに加入しろって来てたな」

「どうしたんですか?」

「シカトした」

「エッ(; ꒪ㅿ꒪)」

「魔王討伐なんか知らん」

「えー。それって王命じゃないんですか?」

「そういや王命って書いてたような書いてなかったような書いてたような」

「それって書いてたよね!?」


魔王討伐なんかより普通に領主の仕事やって合間にのんびり過ごして行きたいんだよ。

妹、勧誘に来んなよ(フラグ)

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