第3話 執行役員室に行った山下夢佳

 課内のハラスメントやマウンティング行為が無くなった事で、夢佳ゆめかは執行役員の佐々木に礼をする為に事前にアポイントを取り、終業後に佐々木の役員室に行った。


 佐々木は最初、にこやかに話し出したが突然、社内でも指折りの美人で有名な人妻の夢佳を抱き締め、彼女は声も出せず、固まってしまった。キスをされ、また抱き締められ、その後はディープなキスをされ、夢佳は怖くてどうする事もできないまま茫然と固まっていた。


「私はそういうつもりではなかったのです!」と必死で離れようとする夢佳。


「今更、何を言っているんだよ。あの日は君から私を抱きしめてキスしてきたんでしょ?」と佐々木が言った。


「違います!」と必死の夢佳。


「私に対して女の武器を使ったのは君が先なんだからね! だから私は君にとって一番良い方法で善処したと思うけどな!?」と佐々木は大声になっていた。


「それは感謝しています!」と小声で言った夢佳。


「それに君は部次長の事も私に頼んでいたので、私はCEOに君を推薦したんだよ。俺の力で絶対に部次長に昇進させてやるから!」と佐々木。


「それも本当に感謝しています」と夢佳。


「だったら……」と言って、佐々木は夢佳をまた抱き締めた。


 彼女は怖くて震え、そしてやっとの思いで、「お願いです。止めて下さい。ここでは……」と言った。何故なら夢佳は仕事に忙殺されていたので、帰宅して夫が求めてもセックスする気持ちにはなれず、自分の方からレスにしていたが、前回の佐々木の愛撫を受けて何度も気を遣ってしまっていた事で佐々木は夢佳がOKだと思っていた。


 佐々木は夢佳をグイッと引き寄せ、またキスをして、胸を執拗に愛撫した。彼女は隣の部屋の秘書に聞かれないように小声で何度も、「止めて下さい」「止めて下さい、ここでは」と懇願していた。無理やり奥の部屋に連れて行かれると、服を捲られ、また豊満な胸を揉まれ、た。


 スカートを捲られて、ストッキングの脚を触られその後、シースルーショーツを見た佐々木は、「君は職場にこんな、エッチなのを穿いてくるんだね?」と、ニヤニヤしながら一気に下ろし片足の足首に絡ませると、夢佳はもう抵抗する力もなくなっていた。


 大きな机の上にヒールの靴を履いたままで座らされて股を大きく開かされ佐々木の指で執拗に愛撫を重ねた。


 この頃になると、夢佳ゆめかは佐々木にされるままの状態になり身を任せ、彼女は彼の首に腕を回して自分の身体を支えた。


 暫く愛撫されていると夢佳は眉間に皺を寄せ切ない声で、「ダメッ!」と呻き、その直後に身体を痙攣させた。その後も佐々木は終わる事は無かった。


「ごめんなさい、ごめんなさい、ここでは……」と何度も隣の部屋の秘書に聞こえない小さな声で夢佳は自身の性癖であったマゾの本領を発揮した言葉を発した。彼は愛撫を止めようとはしなかった。その事に寄り、彼女はまた顔を左右に激しく振った後に身体を激しく硬直させ、切ない声で絶頂の単語を呻いた。


 もうこうなるとこの部屋が執行役員室と言う事も忘れてしまうほど、互いに興奮していて、夢佳は「佐々木さんが欲しいです!」と哀願していた。


 佐々木は自分のズボンと下着を一気に下ろして自身をさらけ出し、彼はまた彼女を机の上にうつ伏せで寝かせて後ろから一気に貫いた。


 夢佳は秘書に見られたらと心配でもあり、早く終わって欲しくもあり、気持ち良さもあり、抵抗ができないでいると、佐々木が奥を突き上げると、彼女の頭が真っ白になり不覚にも小声で絶頂の単語を叫んだ。


 佐々木もその夢佳のそれを聞いて、気を良くし更に激しくなり、「夢佳、俺も!」と呻き、彼女を机から下ろし、彼の方に向かせて跪かせて頭を抑えて激しく前後に振り口の中に迸った。


 その日はそれで済んだが、その後、「来週の日曜の十時に役員室に来るように」と言われその日にまた行くと彼女は佐々木と関係を持ち、その後も毎週のように不倫関係が続いた。


「夫には内緒にすればいいし、これで私も更なる出世が約束された訳だし、佐々木のテクニックは夫なんか比べ物にならないほどだし、私の性欲も満たせるし」と夢佳は独り言を言って帰宅した。

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