日傘 2025
茶村 鈴香
日傘 2025
たった1ページのインスタの画像
君から目が離せなくなる
そういう風に
眩しげな眼差しを
真っ直ぐこちらに向けて
ちょっと身体を斜めにして
君は
ただ立っている
自転車やおじさんたち行き交う道
何を気取る事もなく
白っぽい日傘差して
君は
ただ立っている
あんまり暑いから
つけ麺やさんの心配りで
外で並んで待ってる人のための
オフホワイトの傘 店名入り
ここはほんとにトウキョウなのか
いまはほんとに西暦2025なのか
さらさらの長い髪は
異国のマリア像みたい
この暑いのに結びもしないで
かすかな微笑み
話し始めたら120パーセント
元気過剰な男子なのに
どうしてそんな
切ない表情するの?
引き寄せられる
ねぇ
引き寄せられるよ
たかがインスタ
されどインスタ
どうして
その景色はとても懐かしいの?
どうして
いつか見た風景のように思うの?
ここはほんとにトウキョウなのか
いまはほんとに西暦2025なのか
君はどこから来てどこへ行くのか
山道も崖も涼しく越えるだろう
私もまたどこから来てどこへ行きたいのか
決して交わることのない線上を
ここはほんとにトウキョウですか
いまはほんとに西暦2025ですか
日傘 2025 茶村 鈴香 @perumi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます