3
冬に始まり、春夏秋と。
2度目の冬を迎えられるのかな。
いつまで一緒に娯楽を共有できるだろう。
決して穏やかではない時を過ごしながら、終止符は打つ気はなかった。
「今週は?」
一定の時間に連絡が来る。
今は連絡が取れる時。
通知を見る度に心が躍る。
「分かった!また連絡する。」
予定が決まれば、やり取りはしない。
履歴にも残らない。
夢を見続けるのには必要な準備。
ただ、振り返ることのない存在。
伝えたい事は会って伝える。
消される存在。消して欲しい存在。
消去される存在を望んでないのは、当然のこと。
ただ当然に、消し去ってと伝える。
心はズタボロになりながら、望んでいる。
本心と発言に矛盾だらけだったことに、気づいてくれてたかな。
きっと2人の時間を過ごしながら、
どこか歯車が合わなくなっていた。
気づいていたけれど、気づかないふりをしていた。
あなたはいつも寂しそうな背中をしていた。
何かを背負い抱えているように見えた。
それが自分への戒めか、愛を求めているのか。
それでも発する言葉には、
その気持ちを出さない。
会えない時は、寂しそうな背中が凍えていないか心配だった。
すぐにでも会って、抱きしめたかった。
そして優しくキスをして欲しい。強く満たしてほしい、満たされて欲しい。
会えない時間が長く気持ちが動転しそうになった。
こんな想いをしてたことは、もちろん彼は知らない。
ずっと一緒にいるために、
私に出来ることは本心を見せず、会えば感情をまっすぐに伝えて、各々の生活に戻れば存在を無くす。
それで良かったと何度も思ってしまう。
他の人と同じように、
いつか消えることは分かっていた。
わがままを言うなら、あなたとって他の人とは違う存在であり続けたかった。
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