第三話:「リック」の責務

サク、サク・・・。

野兎がリックたちを見つめている。何か違和感を覚える見た目だ。

「あ~れれ~?あれって、悪喰ちゃんじゃない?ほらほら。」

可愛らしい印象を受ける、齢15、恋惚愛(れんいめぐむ)。彼は、‘恋’の属性持ちである。

「ほ、ほんとだね・・・・・・・。あ、あはは・・・。」

恋惚とは対照的な印象を受ける、齢15、院真虚幻(いんあつきょうげん)。‘影’の属性持ちだ。

「サクッと、殺っちゃおう~。」

「お、おぉう?」

すると、野兎はリックの言葉を理解したように逃げ始めた。

「待てまて~。」

「ちょっちょっとぉー!遠距離から倒そうよ!!」

突然、野兎の動きが止まった・・・。次の瞬間、野兎だった生物がこちらを見つめている。この一瞬のうちに、巨大な正体不明の生物へと変身したのである。いや、違う。変身を‘解いた’のだ。

「あちゃ~、巨大化しちゃったよ。」

恋惚は言葉とは裏腹に、ケラケラと笑っている。

「だから、遠距離って言ったのに・・・。」

陰真は、この世の絶望みたく、落ち込んでいる。

「まぁ、やるしかないよねぇ~。」

そう言うと、恋惚は、どこからか桃色の実体のない飴剣を取りだした。

「うぅ~、戦うつもりなかったのに・・・。」

陰真も、恋惚同様、実体のない漆黒の飴剣を取りだした。

「よぉ~し!倒しちゃおう!!」

そう言うと、恋惚は目にも追えないスピードで走り、悪喰の四肢を切断した。

「縺ゅ=縲∫李縺??ょー冗飭縺ェ莠コ髢薙←繧ゅa縲」

悪喰が何か叫びながら倒れる。しかし、その言葉はどの言語にも属さない。

「な~に、言ってんの~?」

恋惚は、またもやケラケラと笑う。まるで、煽るように。

悪喰は、煽られたことに応えるよう、立ち上がる。

「ぼ、僕だって、やらなきゃ!」

次の瞬間、陰真は、景色に溶け込んだ。すると、悪喰の後ろに回り込み首を切った。

「縺ゅ=縲∫李縺?李縺??りィア縺輔↑縺??∬ィア縺輔↑縺??」

この言葉を最後に悪喰は、消滅した。


「はぁ、終わった終わった!」

「うん・・・。無事に終わって良かった・・・。」

「よぉ~し!他の悪喰も探しにいこ~お!ほらほら、虚ちゃんも!」

「えぇー?僕も?」

「れっつご~!!」

「えぇー・・・・・・」

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飴剣を統べるもの ねこたん @nekotandao

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