第23話

 くずな男達4人を沈めた後、俺は振り返り女の子に言った。


「大丈夫か? それと何でこんな所に来た」


「だ、だいじょうぶです。あ、あの、助けてくれてありがとうございます。その、遅くなってしまったから近道しようと思って……」


 女の子は未だ震える体を、彼女自身の腕で抱きしめながら答えた。


「なにを考えてるんだ。二度とこんな所を通るな。暗くなってからなど以ての外だ!!」


 俺が繁華街を監視している中で、こういうことが起こったら不愉快だし、間に合わなかったら後味も悪い。これはただの自己満足だが、俺は怒気のこもった声で女の子に言った。


「ごめんなさい。これからは気を付けます。本当に助けてくれてありがとう」


 女の子は未だに涙声だったが、反省の色が伺える声色だった。まぁ、あんな目に遭って懲りてないようならどうしようもない。


 女の子の震えが大分治まったので、俺は彼女を大通りまで連れてきた。


 家の近くまで送るほど俺は親切では無い。だからそこまでで、さっさと踵を返しまた路地裏へ戻ってきた。

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