第73話

早くここから逃げ出そうと蓮を抱え扉に向かって歩く




やっと出れる、そう思って扉のノブをまわすと同時に扉が開いた




眩しい光のせいで目がくらむ




誰だか分からないが目の前にいる人物が味方ではないことは分かる




くそっ、これ以上は限界だ




俺を見下ろす影を睨みつける




「・・・仁、」




警戒し次はどうするか思考を巡らせていたが聞き慣れた声が俺の名前を呼ぶ




「・・・雪?」




顔は見えないが確かに雪夜の声だ




「仁、ごめん。」




悲しそうな声が聞こえた




なんで雪夜がここに居るんだ




予想もしていなかった状況に頭が付いていかない




ただ、目が慣れてはっきりと雪夜の顔が見えた




「若っ、坊ちゃんが!」




「てめぇ、坊ちゃんになにしやがった!」




後ろにいた男たちが中の様子をみて顔を歪めながら俺に掴み掛かってくる




だけど、そんなの気にもならない




雪夜と目があったまま晒せない

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