第10話

「クロさん、何でここに住んでるんだ?」



「やっぱり、須藤組が手に入れたってことなのか?」




手に入れたってどういう意味だ。



廊下を歩いているとそんな話し声が聞こえた。




「そういや、今日帰ってくるって聞いたぞ。」



「若頭、久しぶりに会えんだな〜。」




そうだ。今はその事が大問題なんだ。






「...クロ。頭が呼んでます。」



しかし、考える暇もないまま俺は高城さんに連れられ大樹さんのいる部屋へと向かうことになった。









「高城、下がれ。」




「はい。」




「フードをとったらどうだ?つーかお前、俺と透子以外には素顔見せないつもりかよ。」




そう言われて俺はフードをとった。




「なんで今日は早く帰れと?」




「...お前に会わせたい奴がいてな。もう面識はあるのかもしれないが。」




だと思った。




「須藤 瑠樹のことですか?」

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