月食

りーちゃん

エピローグ

「ね!昨日、あたし 魔女みたよ!!」

(あぁまたか)

この街にはいつからか、

「魔法使いがいる」

そんな都市伝説がある。

どうやら唱える人にもよるが

その魔法使いは、一人だけではないらしく、本等にもなるほど有名な話だ

でも、私は信じない。

魔女なんてどうせいる訳がない

いたら、科学なんてどうなるの

理科なんて学ぶ意味がなくなっちゃう。

魔女が居たら、と考えると色々辻褄が合わなくなる。

もっとも、いたとしたのなら生活は今よりもっと豊かだろうし…

萌璃めり!!」

「っ、みこと、!」

この頬に絆創膏を付け灰色から金髪のグラデーションの髪にチョウチンアンコウみたいな星付きのアホ毛を持つ、如何にもやんちゃそうな彼は中学からの幼馴染みの『寿乃すのみこと

中学時代、いじめられてた命を助けそれ以降ずっと仲良くして貰ってる。

「どーしたのさ、そんなくらぁい顔して~?」

「元々暗いけど…」

「名前に『明るい』が入ってるくせにね」

「うるさい」

天宮あまみや 明萌璃あめり

正直、この名前は自分だってかわいくて気に入ってるが

あまりにも自分と似合わなさすぎて、申し訳なく思う…

「……命は、…魔女って、信じるタイプ…?」

突然な質問に驚いたのか、命は唖然とし少し答えるまでに間が空く

「…魔女か~ん~~……僕は信じないけど信じるかな~」

「それ、どっち…?」

曖昧な返答にあからさまに嫌な声で返す。

「ん~…わかんない!」

「え、…?」

「いるかは分かんないけど…いたらとっても面白いよね!…って、感じ?」

「ふふ…」

にっこり!と笑う彼を見てなんでか笑いが堪えなくなった

「え、なになになに?!何が今面白かったの~?!」

「…知らない…」

「教えてよ~~!!!!」

こんな楽しい日常が、

がらりと変わる事を

誰が予想できたのかなんて

今となっては知るよしはない


私達は知らない

いや、私は知らなかった


これから、過酷な日々が待っていることを…

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