(二)

「くしゅん!」


 勤務中にも関わらず、雑念が混じる。

 終いにはくしゃみまで出てくる始末だ。

 頭の中を、占めるのは美世のこちらをはらはらと心配する、愛しい顔。

 先ほどのことを思い出す。

 すると無意識に唇に手が伸びてしまい……、


「はっ……!?」


 冷静になると羞恥しゅうちが込み上げてくる。

 よりよって新に見られた。


……。

 もし、

 もしもだ。


 奴がいなければ私は何をしていた?


「はっ……!?」


…………。


「……調子が狂う」


 歯がゆい。

 もどかしい。

 まだ結婚前でこれとは先が思いやられる。


 だが悪い気分ではない。

 

 むしろ、もっと……


「はっ……!?」


 いけない。

 これはいけない。

 勤務中にこの有様では、隊長として示しがつかない。

 思考がいけない。

 集中、しなければ……!


 こうして何度も自分の世界に沈み、一日仕事が手につかない清霞であった。


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