男の娘と台湾、そして俳句

ゆげ

ただいまゆっくり活動中

 最近、プロフィール欄を更新しました。


「充電中」から「ゆっくり活動中」へ。そして、俳句を詠んでいることや、代表作の紹介も付け加えました。まだシンプルですが、少しはプロフィールらしくなったかなと思います。少し前向きになって、一歩踏み出せた感じが嬉しいです。

 長い間、充電中という言葉をずっとプロフィールから外すことができずにいたのですが、そのせいでお気遣いをいただくことが度々あり、申し訳ない気持ちになったのです。温かいお言葉をかけてくださった皆さま、ありがとうございました。ときどき充電モードになることもありますが、元気です。


 新しいプロフィールを作ったので、自分の創作について考えてみます。これについてはいつか書きたいと思っていたので、この機会に、創作に対する思いをここに書いてみたいと思います。



 

 プロフィールには「男の娘と台湾の話が多い」と書いています。どちらも、個人的に特に注目したい、身近で大切なテーマです。


 順番が逆になりますが、まず「台湾」についてお話してみたいと思います。

 台湾には一度訪れたことがあるだけですが、食べ物が美味しくて、言葉の響きも心地よくて、なんだかとても好きでした。作者の祖父は台湾の生まれだったそうです。でも実際住んでいたのは大陸の某地方で、作者自身も数年そこで過ごしたことがあります。その辺のあれこれについては、触れるつもりはありません。完全に無関係というわけではないものの、今では付き合いもほとんどないからです。身近にあるようで遠い、作者はそんな微妙な立ち位置にいます。もう遠い思い出になっていますが、台湾との関係は、振り返るとそんな過去から静かに続いているものだったのかもしれません。

 そんなこんなで、創作では、憧れだった台湾を舞台にお借りしています。物語に何かプラスしたいなと思ったときに、いい感じのアクセントになってくれるような気がしています。

 正直なところ、作中で台湾ぽさをどれほど描けているかにはあまり自信がありません。台湾に詳しい方からすれば、「ふーん…?」と思われることも、もしかしたらあるかもしれませんね。かといって、中国を舞台にするには、どうしても気持ちのどこかでためらいが出てしまうのです。

 それでも、こうして好きなものを自由に書けるのは創作の楽しさの一つだとも思います。特に中華料理を作中に登場させることが多いです。

 あちらでの暮らしについては、また別の機会にほんの少しだけですが、触れてみたいとも思っています。いずれ掲載の場が整ったら、こっそり公開するかもしれません。

 


 そしてもう一つ、「男の娘」について。

 「男の娘」と書きました。もちろん登場人物がである作品もあるのですが、そうではないものもあります。男の娘って、ものすごく定義が曖昧な言葉なんですよね。「本人は男らしくあろうとしているけれど、周囲から見たら女の子みたいで可愛らしい」という第三者の視点で呼ばれるもの、というのが本来の意味ではあるようです。が、実際には人によってそれぞれ解釈が違うような気がします。

 今回は、トランスジェンダーについて話をしたいと思います。定義の曖昧さに甘えて、あえて「男の娘」と言わせてもらったりもしていますが、作者自身と直接結びつけることが怖くて、どこか逃げていた部分もあったかもしれません。

 後で、代表作の『夜宵~トマトと卵のラーメン~』ともう一作『飽和。』に関する近況ノートを取り上げます。二作とも主人公はトランスジェンダーです。作者が今、創作をする中でとても大切にしたいテーマであり、一番丁寧に描きたいと思っているものです。でもその分、なかなか思うように表現できずにいることでもあります。

 

 トランスジェンダーを話題にするうえで、ひとつだけ明確にしておきたいことがあります。作者は「アライではない」ということです。創作をするにあたって、理解や配慮を求めたいだとか、現状を知ってもらいたいだとか、そういう思いは一切ありませんし、また、問題提起をする意図もありません。   


 以前は作者自身も情報を求めてLGBTQ+のコミュニティに参加し、活動に関わっていたこともありました。はじめこそ安心感を得られたし、救われた気持ちになりました。でも、そういう場所にも当然ながら意見の違うたくさんの人がいて、その多様な意見の中で対立やすれ違いが起きることもしょっちゅうでした。だんだんと得体のしれない居心地の悪さを感じるようになり、結果、そっと距離を置きました。

 ここ数年、たくさんの人たちの間で理解の輪が広がってきているのは、活動を続ける多くの方々の努力の結果だというのは承知しています。その一方で、その理解がかえって苦しく感じることも増えました。どこにいても、心を乱される出来事は多いです。自分のペースで、自分なりの距離感で向き合えれば、それで十分かなと今は思っています。

 



 作者の創作に対する考えをつづった近況ノートがあります。サポーター限定のものが一つ、該当箇所だけ非表示にしたものが一つ。

 限定近況ノートは2023年11月20日に書いたものです。誰も見ていないのをいいことに、思うままに書き散らかしていますので、かなり見苦しいかもしれません。読みづらいとも思いますが、こんなことを考えていたんだなあ、ということで、次ページに引用したいと思います。

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