第3話【行かないで】ト【友達】
物陰から1人の黒髪で前髪を目元まで隠した男子生徒が萌香達を見ていた。
男子生徒は萌香達に声をかけようか悩んでいる。
黒髪の男子生徒「どうしよう……。どう声かけたらいいんだろう……」
すると男子生徒は背後に忍び寄った人物に肩を叩かれ驚いて声を上げた。
黒髪の男子生徒「わあぁ!?」
黒髪の男子生徒の肩を叩いた。
シルバーアッシュの髪色に外ハネミディアムヘアアレンジした男子生徒はきょとんとした顔をしたまま声をかける。
驚かした男子生徒「
驚かした生徒、
船星「ご、ごめん。急いで取りに行く」
大神「ちょい待ちぃ」
そう言って大神は船星の手首を掴んで、こそこそと内緒話を始めた。
大神「男やったら先にやることやってから野菜取りに行かな、あかんやろ!」
船星「やるって……何を?」
大神「ナンパやろ?湖畔におる女子に……ちゃうの?」
船星は何も言い返せずにいる。
間違っているようで間違いではない、ただあの日あの女子生徒が屋上から誰に向かって、叫んだのか知りたくて声を掛けようか迷っていたところだった。
迷っていたら大神にナンパすると勘違いされてしまった。
返す言葉を考えていたら、大神は僕を置いてあの女子生徒へ歩き出しているではないか。
僕は心の中で––––。
船星『まだ心の準備ができていないんだ。だからまだ行かないで!!』
と叫んでいた。
____________________
船星は歩みの止まらない大神の元へ走る。しかし足の遅い船星は中々追い着けない。
湖畔までそう遠くないのに––––。
船星「どうして、僕は……」
息を切らしてやっと大神に追い着いたと思い、顔を上げたらすぐ近くにあの女子生徒が居た。
ピンクブラウンの髪色でゆるふわツインテールにヘアアレンジした萌香とネイビーブルーの髪色にロングウルフヘアーな
特にツインテールの女子を近くで見た瞬間、僕の心臓の音は走っていた時より早く鳴り、無意識に僕より遥かに身長の高い大神の後ろに隠れた。
船橋の身長は168cmだ。それより約20cmも高い大神の身長は188cmであるので、ちょうど船橋が隠れるのに適していた。
一方大神は萌香達と談笑している。
突然話しかけてきた大神に最初、萌香は戸惑っていた。
大神「こんにちわ〜。2人して何してんの?」
萌香「え、えっと。あの……う、海を見てて」
真珠星「っ!?萌香、海じゃないって!?湖畔だって」
萌香「そ、そう。湖畔!湖畔を見てたの!」
顔が赤くなる萌香、呆れる真珠星に爆笑する大神。
大神「自分(萌香達の事)ら、面白いなぁ。漫才コンビ?」
真珠星「違うし。同クラ(同じクラスの略)で友達。……で私らに何用?ナンパ?」
大神「そうそう、ナンパ。……俺の背中に隠れとる、友達の船星君が自分らにナンパしょう言うてな……」
僕は焦っていた。背中にいる事が大神にはすでにバレていた事もあるが、ナンパではないと誤解が取れないまま、あの女子と話すことになってしまう事に。
あと僕は家族以外の女性と話すのが苦手だ。
だからジャケットの裏ポケットから狐風の覆面を取り出しそれを急いで被って、大神の隣へ頭をペコペコ下げながら登場した。
そしたら案の定目の前にいたあの女子は引いてしまい、友達(真珠星)の手を掴み逃げるようにその場から去ってしまった。
3話End
お題【行かないで】24‘10/25
【友達】24‘10/26
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