最近タイトルが内容に合わなくなって来たので変更させて頂きました。

「A級収集人は引退出来ない」から「現代ダンジョン収集人は引退出来ない」に変わります。

すみません、よろしくお願いいたします。

★★★★★★★★★★★★★

宝箱から出たのは【女王オーガク】に変化する黒光りする宝玉だった。

ならばサクッと倒してしまおう。

彼女（【女王オーガク】）の前に立ち、口から延びて来る攻撃針をサッと躱して攻撃針を日緋色金の刀で断ち切ってしまう。その針が引っ込むよりも早く、【金属以外腐蝕液】と【猛毒液】の混合液を振りかける。【女王オーガク】は口からドロドロに溶けて行く。体内に空いた穴にさらに【混合液】を高圧で体内に押し込む。胃腸に到達したようで、腹部がみるみる溶けて行く。彼女はもはやゾンビ状態だ。

【女王オーガク】は命を失った。普通に光の粒になって消え去った。ドロップ品は魔石、防御結界を纏った皮革。攻撃針などで、あの宝玉は無かった。

「今後の為に宝箱が出現した場合は蓋を開けた瞬間に宝玉をストレージか、マジックバック、収納空間に収納してダンジョン庁に提出するように注意喚起した方が良いだろう。

ダンジョン庁がその宝玉をどう活用するか、廃棄するのかは専門家達に丸投げしよう。

その後転移装置を回収してこのダンジョンのダンジョンコアの在処を探す。

4時間探し回ったが見つけることは出来なかった。

だが待てよ。ここのラスボスはゴブリンキングとウルフキングが交互に出ると言っていたなと思いだす。

　ラスボスのリポップ時間も５時間ならもう少し休憩してゴブリンキングが出るのを待とうじゃないか。

おにぎりを食って豚汁を飲んで、食後の緑茶を飲んでいるとついに出て来たゴブリンキング！

幅30㎝あろうかと思われる大剣を右手に持って、俺を視認した瞬間に駆けて来て、その大剣を軽々と振り回して来た。

俺は日緋色金の刀で打ち返し、払い、良い感じで交戦する。

カキ―ンガキーンとダンジョン内に金属音が響き渡る。硬い！日緋色金の刀と対等の硬さだ。

ゴブリンキングの大剣を鑑定すると【アダマンタイト？】とおかしな鑑定結果が出た。何なんだ？って。

【アダマンタイト】ではないのか⁉

まあなんでもいいや、今は奴を倒す手立てを講じねば。

何度も打ち合っているうちに奴の剣に微かなヒビが入っているのが見えた。

あのヒビが入っている場所に渾身の一撃を加えることが出来れば。

だが奴の動きも俊敏で思う所に当たらない。

【金属腐蝕液】を奴の剣に転送する。

溶けない！この剣は金属では無いのか？

今度は【金属以外腐蝕液】を転送する。

今度は効いた。奴の大剣が表面だけが溶けて行く。内部に濃い緑色の金属が有ってその金属を覆うようにアダマンタイト被膜がメッキ状に張り付いていたのだった。

（アダマンタイトって金属じゃ無かったのか⁉）

新発見だが、今はそんなことを考えている場合じゃない。奴の大剣が俺の頭に落ちてくる。

身体がとっさに反応して下から受け止める。

丁度ヒビの部分に刃が食い込んだ。

ガッキーーーンと奴の大剣が切れ飛んだ。

一気に軽くなった俺の刀でゴブリンキングの首を切る。残念届かない。少しジャンプして刀を突き刺す。

手ごたえが有った。

ゴブリンキングを倒した！

今回戦ったモンスターの中でこいつが1番の強敵だった。

強い相手に出会えて剣戟を楽しんでしまった事を反省する。

ドロップ品にあの大剣も有った。

壊れる前の完全な形だった。

『おめでとうございます。SS級収集人になりました』

　手の甲に【特SS】の文字が現われた。日本初のSS級の誕生だ。

同時に【鑑定SS】【錬金術SS】【刀鍛冶SS】のスキルも手に入れた。

　ダンジョンコアの探索を再開する。

【鑑定SS】の力で何とか見つけることが出来た。

今まで見つからなかったはずである。ダンジョンコアの有る場所動き回って一定の場所に無かったからだ。

『このダンジョンコアは強制収納で取得出来るが、このダンジョンの機能を失う』

　だめだこりゃ、下手に取ってはいけない奴だ。

　宝箱に【女王オーガク】の宝玉が出る場合が有る事。それを宝箱から取り出すと【女王オーガク】に変化してオークとオーガを生み出してスタンピードを引き起こす恐れがある事。発見した場合の対処方法を徹底的に周知させなければいけない事をダンジョン庁に報告して今回の調査は完了だな。

　でも、1階層のゴブリンとウルフを生み出す宝玉の謎は残ったままだがそっちはダンジョン庁に任せよう。

　桜から電話が有った。ゴブリンやウルフを産み出す球状物体はやっぱりアメリカカリフォルニアのダンジョンのダンジョンコアだったらしい。

　椿がアメリカのダンジョンを管理する機関に問い合わせたら数年前に紛失したものだとほぼ断定されたらしい。

　そしてこう言った。

「新たなテロ活動の疑いが有る！」と……。