第33話 スタンピードの終焉 ➂
タイトル名変更しました。(元、「A級収集人は引退出来ない」)
内容がタイトルと違ってきているので変更致しました。
★★★★★★★★★★★★★
新たにリポップして来たモンスターが3分の1くらいの数になった時に新たな上位種が現れた。
ゴブリンキングとウルフキングだ。あいつら雑魚モンスターはこの2体に操られていたのだろうか?
C級ダンジョンの1階層に現れて良い相手ではない。B級ダンジョの中層の階層主と言っても良い強敵だ。
『メアリー俺がこいつらを引き付けておくから、雑魚どもを【強制収納】して行ってくれ』
『ラジャー』
俺は10m上昇して様子を見る。ウルフキングのジャンプ力とゴブリンキングの剣が届かない高さを保とうと思ったからだ。
軽くジャブを放つつもりで炎魔法を放ってみる。
どちらにも効かない。
だったら次々と色んな属性の魔法を放ってみる。
水、駄目。氷、動きが鈍った。
【絶対零度】完全に凍った。日緋色金の刀でぶった切る。コロンコロンと2体の首が転がった。
「オーバーキルだよ」
メアリーに指摘された。
キングモンスターの姿は消滅した。
それぞれのドロップ品が落ちる。
それでもなお雑魚モンスターは湧き続ける。
(草叢に隠れて何か有るのでは?と、俺は草を根毎収納して行く。
1階層がすべて土の地面が露わになった。
その平原のほぼ中央にキラッと光るものが有った。
直径3㎝の球状の物体だった。
途轍もない魔力を封じ込めているようだ。収納してしまったら雑魚モンスターの発生が止まった。
試しにまた出してみた。リポップが始まった。
間違いないゴブリンとウルフの発生はこの球状物の為だった。
これが何なのかは後で確かめるとして例の物はストレージに収納しておく。
残っていたモンスターをすべて倒してその日は福岡支部に寄って報告して売れるモノを売って俺は用意して貰ったホテルへ、メアリーは祖父母の家に泊ることになった。
念の為ダンジョン庁によってダンジョン入口の見張り警戒を図るらしい。これで今夜はぐっすり眠れるだろう。例の物体については何も解らなかった。
ただアメリカで収集人として活躍したことの有る椿が気になることを言っていた。
「良く見ないと判らないけれど、アメリカカリフォルニアでダンジョン機能を失った元ダンジョンのダンジョンコアにそっくりですね」
とのことで、例の物体はマジックボックスに収納されたまま東京本部に送られることになった。俺達は福岡でスタンピードの終息を確認してから帰る事になった。
翌日メアリーには祖父母との時間を大事にして欲しくて、俺だけが昨日のダンジョンに潜る事にした。
昨日のうちに、元々のこのダンジョンの情報を仕入れて置いた。
本来のラスボスはゴブリンキングかウルフキングが交互に出現していたらしい。
2体同時に出現することなどなかったようだ。
更に【女王オーガク】なんて見たことも聞いたこともなかったらしい。
嫌な予感がした。
ひょっとしたら、元のダンジョンコアが新しいダンジョンコアと入れ替わっているのでは?
今回はよりいっそう注意深く探索していこう。
謎の球状物体をダンジョン外に持ち出したためか1階層に出て来るモンスターは良くある通常のC級ダンジョン並みの数だけしか
出会わなかった。
正常に戻ったのかな。
正常なC級ダンジョンなら俺1人だけでもサクサク踏破出来る。
何ら苦労することなく50階層に着いた。
ラスボス部屋の前に居る。入る前に持ち物を再確認しながら一服する。例の【金属以外腐食液】と【猛毒液】との混合液もバッチリ保有して有る。
さあ入ろう。
待ち構えていたのはウルフキングのほうだった。昨日の通り10m浮上しながら凍結魔法を放つ。
昨日は【絶対零度】だとオーバーキルだったのでマイナス50℃に抑えて置いた。
それでも充分だった。
ウルフキングの動きは直ぐに止まって、カチコチに凍った。
首を落とす。
ウルフキングは消えてドロップ品を収納する。ポヨヨーンと間の抜けた音と同時に宝箱が現れた。その後ろに入口への転移装置が見える。
宝箱を鑑定する。罠はなさそうだ。開けてみる。
急激に寒気が襲う。
10㎝位の黒光りする宝玉が入っていた。
宝玉を箱から取り出した瞬間だった。
その宝玉が膨張して変形した。
出現したのはあの【女王オーガク】だった。
あれは宝箱から現れたモンスターだったのか!
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