第27話 我が家に帰ろう
桃源郷ステージで俺は仙人から刀術を習い【仙桃流刀術免許皆伝】を取得した。
恵は【仙桃流杖術免許皆伝】を得ていた。
更にメアリーは【仙桃流片手剣術免許皆伝】を獲得していた。
宝箱は出なかったが皆伝が報酬だったのだろう。
それだけではない。【収集人御用達の果実】を始めとする不思議な効果を持つ果実を何種類も手に入れた。
本来なら桃源郷もマヨヒガも2度と訪れることの出来ない場所なのだが、俺達は転移機能の付いたブレスレットを手に入れた。
これから何度でも訪れることが出来るのだろう。
これは途轍もなく有り難いプレゼントと言って構わないだろう。
俺達はダンジョン庁東京本部に今回の調査結果の報告をして収集した素材を買って貰って第3S級ダンジョンの次回の調査は1ヶ月後に行うことで話をつけた。
俺は養魚場の事が気にかかるし、メアリー恵みも日本の祖父母の家に行ってしばらくゆっくり過ごしたいと希望していたからだ。
桜は俺との結婚に備えて今月いっぱいでダンジョン庁長官の秘書を退職することになっていて、妹の椿に仕事の引き継ぎをすすめている最中だった。椿とは桜のご両親に挨拶に行った際に顔合わせをしている。
バレーボールの日本代表に選ばれた事もあるスポーツウーマンで、笑顔の可愛いスタイル抜群な30歳の女性だ。しかしダンジョン庁に就職した時にはバレーボールは辞めていた。身長175センチでは世界で活躍するのに限界を感じていたからだそうだ。
幼少時からアメリカで暮らしていて高校生になってからD級収集人の活動を始めたらしい。持ち前の運動神経の良さからあっと言う間にB級収集人になったのだが、姉の桜の秘書の仕事を見て憧れて必要な知識を勉強し始めたそうだ。
スキルとして【多国語習得スキルS】を持っていて今では日本語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、中国語、韓国語、ロシア語の10か国語の政治的専門用語を使った読み書き会話が出来るそうだ。尤もその他の言語も1カ月も有れば日常会話は出来る様になるのだと言う。
このスキルは桜も持っていて、スワヒリ語なども会話出来るという。【スキル交換】のおかげで俺も桜と同様の言語は使える自信が有る。
椿はアメリカのダンジョンを数ヶ所制覇した実績を評価されて無事に坂本長官の秘書の1員になれた。桜も長官も椿の実力は認めているらしい。
というわけで桜の退職は無事に認められることになった。
報告を終えた俺は今日は定宿のホテルに泊まって明日養魚場に帰る事にした。留守を守っている紫苑と姪の沙耶香に電話しておく。
その夜は桜がホテルを訪ねて来て、久し振りに愛を確かめあった。
「隆史さん、明日は私も養魚場に行きたいです。結婚したらずっと養魚場に一緒に住むことになりますし、紫苑ちゃんと紗耶香さんとも仲良くなっておきたいですし」
「坂本長官に許可は?」
「勿論とって有りますわ。むしろ、どんどん休みを取って今後に備えなさいと仰って下さいました。今まで取っていなかった有給休暇を消化しなさいとのことです。明日から退職日まで休んでも
問題ないです。仕事の引継ぎも済ませました」
「そうか判った。結婚式の準備を任せることになるかも知れないそれでも良ければ明日から養魚場で暮らそう」
「ええ、それでいいです。よろしくお願いしますね。あなた」
桜のストレージの中には彼女の嫁入り道具一式が入っているそうだ。
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